Pendo on Pendo:Pendoのプロダクトチームが機械学習を使ってNPSのノイズの中から大事なシグナルを見つける方法

Christine Itwaru著|

5分

 

ネットプロモータースコア(NPS)は、組織が顧客にどのように認識されているかを理解するのに役立つ重要な指標であり、顧客への価値を最大化するために投資するリソースの優先順位を決定する際の重要な情報でもあります。Pendoでは、プロダクトからカスタマーサクセス(CS)、マーケティング、経営陣に至るまで、ほぼすべての部門がSlackとのインテグレーションを利用してNPSデータを常に把握しています。また、取締役会と投資家が経時的な顧客センチメントの変化を追跡して理解しやすくするためにもNPSを活用しています。

このデータ(定量的なNPSスコアと定性的なフィードバックの両方)は、チームにさまざまな方法で力を与えます。NPSデータを活用することで、特に次のことが可能になります。

    • 顧客がプロダクトやPendo自体についてどのように感じているかを理解する
    • 最近のリリースが全体的な顧客センチメントに与える影響を把握する
    • どの分野に投資が必要かを判断するために、プロダクト計画において定性的なお客様の声(VOC)を提供する
    • 解約リスクがある、または追加の実践的なサポートが必要な顧客を特定する 
    • アカウント全体でチャンピオンと成功したユーザーを特定し、称える

PendoのNPS機能を改善させる中で、私たち自身の日常業務がどのように進化してきたかを見てみましょう。

従来の方法:ノイズの中で必死にシグナルを探す

私たちの日常業務で重要なのは、ビジネス全体のすべてのステークホルダーがNPSスコアの背景にある論拠を理解できるようにすることです。背景知識がないとNPSスコアの意味することが分からないため、スコアが上下する理由を理解する必要があります。その貴重な「理由」は、定性的データ、具体的にはスコアに付随するテキスト(文章)による回答から見つけられます。テキストによる回答は、顧客が何を気にかけ、何が気に入っており、何に苦労しているかについてのインサイトの宝庫です。

Pendoには、データの宝庫があります。このデータの宝庫を無駄にするわけにはいきません。そのため何年もの間、弊社のプロダクトオペレーションチームはテキストによるNPSの回答を手動で精査し、ノイズに埋もれているシグナルを見つけてきました。四半期ごとに、プロダクトオペレーションチームは次のことを行っていました。

    1. PendoからすべてのNPSスコアとコメントを(ユーザーの役割、会社、その他の重要な訪問者情報と共に)シートに取り込み、顧客をセグメントに分割します。
    2. テキストによる回答を1つ1つ手作業でシートに分類します。 
    3. データサイエンスチームにシートからLookerにデータを移行するよう依頼し、ペルソナ、顧客タイプなどによって傾向やテーマ、インサイトを視覚化します。 
    4. すべてのデータの四半期および年次レポートを作成し、部門横断的に関係者や経営陣と共有します。

Pendoと同様、多くのプロダクトオペレーションチームはすでに多忙を極めているでしょう。インサイトは顧客フィードバックを理解する上で重要な要素ではありますが、時間のかかる手動プロセスでは、コストがかかるのはもちろんのこと、貴重な時間とリソースも消費していました。

新しい方法:Pendoの機械学習機能、Simon

定性的なNPSデータが重要だからといって、時間をかける必要はないのではないか。これが、今では手作業を代わりに行ってくれているPendoの新しい機械学習機能、Simon開発の背後にある考えでした。つまり、チームがインサイトを掘り下げるのに費やす時間を減らし、インサイトに基づいて行動する時間を増やせるのです。 

Simonは、テキストによるNPS回答を精査し、自動的に推薦者と批判者の回答から重要なテーマを抽出します。これらのインサイトは、NPSの概要ページの2つの新しいウィジェットからPendoに表示されます。そこから、各テーマを掘り下げて特定の回答を確認し、同じテーマ(プロダクトの特定の機能など)に関する回答を持つユーザーで構成される新しいセグメントを作成して、すぐに行動を起こせます。

Simonのおかげで、プロダクトオペレーションチームの効率性と生産性は格段に向上しました。NPSデータですぐに分析を行い、テーマから作成したセグメントを使用してプロダクト使用中の行動を掘り下げます。回答で「UI」に言及する批判者は、プロダクトの共通領域を訪れているのでしょうか。「ガイド」に言及する推奨者は、特定の機能のパワーユーザーでしょうか。

これにより、適切なインサイトをビジネス全体の各関係者と共有することも容易になります。プロダクトマネージャーは、担当分野に関連するテーマを簡単に掘り下げることができます。プロダクトリーダーは、重要な傾向の出現や急増を確認し、それらのテーマが時間の経過とともにどのような傾向を示しているかを追跡できます。CSチームは、介入が必要なアカウントのリストを作成するために、「サポート」または「オンボーディング」に関連するテーマに分類されたすべての回答を取り込むこともできます。 

Simonは、効率性、生産性を高め、部門間の連携を強化するための秘密兵器です。最も多いNPSのテーマをすぐに入手できるため、チームはデータから把握した最も影響力のある重点箇所にひときわ多くの時間を費やすことができます。多くの組織がNPSを活用しつつも敬遠しがちな大きな理由は、チームとビジネスの成功に役立つ最も重要なポイントを引き出すまでに時間がかかることです。価値実現までの時間がかかるが故にNPSデータを遠ざけているのなら、Simonがその解決策になり得ます。

NPSインサイトは現在、オープンベータ版です。この新機能に関する最新情報をいち早く入手するには、こちらのリストにご登録ください(英語)