良いプロダクトアナリティクスダッシュボードが発揮する力とは

Stephanie Liu著  |  

6分

 

プロダクト分析用のダッシュボードは、何年も前から存在しています。多くのSaaS企業で進捗状況を追跡したり主要な指標を報告したりするために使用され、日常業務で頻繁に登場するありふれたツールです。それにもかかわらず、ほとんどのダッシュボードは、急いで作って1、2回使うとデジタルの墓場に葬られてしまうことが多いのが現実です。 

Pendoダッシュボードを担当するチームの一員として、そのことが残念でなりません。ダッシュボードは変化をもたらす強力なツールになり得るにも関わらず、その期待に応えられていません。なぜでしょうか?それはプロダクト分析用のダッシュボードが、チームが分散し、ビジネスニーズが絶えず変化するこの現代社会に適応するようにできていないからです。 

Pendoでは、プロダクトマネージャーが最高の仕事ができるように支援することを常に考えています。その中で、優れたプロダクトチームは、プロダクトデータの一元化や、そのデータに関する背景情報の共有、チームメイトとのコラボレーションを、すべてリアルタイムで行うことができる環境において、最も力を発揮することが分かりました。方法はさまざまですが、こうしたコラボレーションはダッシュボードの中でも行うことができるし、そうすべきだと考えます。これをまさに実現するため、この度Pendoダッシュボードの体験を再構築しました。 

効果的なダッシュボードを作成するためのヒントと、プロダクトチームがダッシュボードの利点を活かすためのPendoの最新機能をご紹介します。

1. 優れたダッシュボードはデータを一元化できる

プロダクトチームが成功するためには、関連する最新のプロダクトに関するデータにアクセスできることが重要です。プロダクトデータを1つのダッシュボードにまとめることで、対応中の問題や追跡しているプロダクトについてチーム内で情報を簡単に共有することができます。Pendoのダッシュボードウィジェットの最新版では、プロダクトマネージャーはより多くのデータを収集して、実用的なインサイトを引き出すことができるようになりました。

目標ウィジェット

どのようなプロダクトの開発においても、ビジネスの成長に向けてチームを導くためには、目標の設定が不可欠です。実際、目標は人々のモチベーションを高め、チームを団結させる「いかり」となります。これまでのダッシュボードが効果的でないのは、目標を決めていないため、明確な方向性がないからです。新しいPendoダッシュボードでは、主要フィーチャーのクリック数、ページ閲覧数、トラックイベントを選択し、プロダクトの使用率の目標を設定することができます。

たとえば、Acme CRMという顧客関係管理(CRM)アプリケーション内のオポチュニティにメモを追加する新機能をリリースしたとします。そしてこの新機能のパフォーマンスを追跡したいと考えています。これは、関連するチームと協力してプロダクトの使用率目標を設定し、新しい「フィーチャーリリース」ダッシュボードの最上部に配置する絶好の機会です。そうすることで、チームメンバーは目標に向けた進捗状況を簡単に確認し、目標の達成に集中して取り組むことができます。

NPS、投票調査、データエクスプローラウィジェット

NPSウィジェットと投票調査ウィジェットが改善され、より多くのデータが含まれるようになりました。データエクスプローラウィジェットを使えば、ユーザーからのフィードバックデータとプロダクトの使用状況データを組み合わせてプロダクトの全体像を把握することができます。  

    • NPSウィジェット:4つの新たな設定項目が追加され、さらにビジュアルも更新されました。これによりユーザーの気持ちをより深く理解できます。
    • 投票調査ウィジェット:投票調査の回答や平均値、中央値といったデータが追加され、さらにみやすくなっています。
    • データエクスプローラウィジェット:任意のダッシュボードから直接データエクスプローラレポートを作成、またはレポートにアクセスできるため、ワークフローが簡単になります。

先ほどご紹介した新しい「メモ」機能の例で考えてみましょう。NPSウィジェットを使用すれば、ユーザーが機能についてどのように感じているかを追跡できます。ユーザーに尋ねたい質問がある場合は、簡単なアンケート調査を行い、その回答を投票調査ウィジェットで表示できます。また、機能の使用状況についてのデータをさらに掘り下げたい場合は、データエクスプローラを使って、複数のセグメントや期間にわたった傾向を追跡および比較し、一つのダッシュボードに表示できます。

2. 優れたダッシュボードはデータの裏にある背景情報を提供してくれる

データを理解するには、プロダクトや解決すべき問題に関する適切な背景情報が必要です。働き方の遠隔化、分散化が進む現代社会では特に、背景情報の提供が非常に重要になります。背景情報によってデータに意味が生まれ、データからインサイトが引き出され、インサイトに基づいた行動をとることができます。プロダクトマネージャーが背景情報を共有できるように、Pendoに2つのダッシュボードウィジェットを導入しました。

埋め込みウィジェット

埋め込みウィジェットでは、お気に入りのアプリからデザイン、ビデオ、スライドなどのコンテンツを追加できます。最近リリースした「メモ」機能の今後の改善計画を共有したい場合、埋め込みウィジェットを使って、最新のプロダクト計画を文書化したスライドを取り込みましょう。

テキストブロックウィジェット

テキストブロックウィジェットを使用すると、データのすぐ横にコメント、リンク、メモを追加して背景情報を提供し、ダッシュボードに「生の声」を加えることができます。メモ機能をリリースする場合、この機能がなぜ作られたのか、誰のために作られたのかなどの簡単な説明を加えると、チーム内で簡単に意思疎通ができ、ミーティングを減らせるかもしれません。

3. 優れたダッシュボードはデータの共有を助ける

この2年間のコロナ禍を経て、リモートワークが定着しました。プロダクトチームは働き方の分散化が進む中、新しいコラボレーションの方法を見出すことを余儀なくされています。プロダクト主導のチームにとってコラボレーションは成功の要であるため、チームがどのダッシュボードでもデータを共有し、共同編集できる新機能をリリースしました。

サブスクリプションレベルとユーザーレベルの共有

最新の共有機能では、ダッシュボードを組織内の全員または組織内の個々のユーザーと共有することができます。たとえば、「フィーチャーリリース」ダッシュボードをプロダクトリーダーやプロダクトチームのメンバーと共有することで、プロダクトのパフォーマンスと定着化について全員が同じ見解を持つことができます。

共同編集

便利なダッシュボードとは、インタラクティブであり、リアルタイムで更新されるものです。ダッシュボードの共同編集機能が追加されたことで、ユーザーを追加して、ダッシュボードの編集権限を付与することができるようになりました。これにより、ダッシュボードがプロダクトチームにとって、コラボレーションと対話のための場所になります。さまざまな視点やコメントの共有から新しいデータの追加まで、すべてをPendoダッシュボードで行うことができます。たとえば、ユーザーのフィードバックから得たインサイトを「フィーチャーリリース」ダッシュボードに追加して、チームの全員が閲覧できるようにできます。

これらの新機能が追加された新しいPendoダッシュボード体験では、共有したデータを中心にチームをまとめ、団結して課題解決に臨めます。プロダクトデータを一元化して背景情報を追加することで、全員が同じ情報を共有して適切な意思決定を迅速に行えます。Pendoのプロダクト担当シニアディレクターであるStephanie Tanzarは、「Pendoのプロダクトチームでも、ダッシュボードを使用して関係者とコラボレーションしたり、彼らに影響を与えたり、情報を提供したりしています」と言います。Pendoダッシュボードという強力なツールを皆様にご活用いただければ幸いです。

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