現在、世界有数の銀行や金融機関が、ビジネスモデルに対する考え方を根本的に変えようとしています。たとえば、J.P. Morganは今年初め、従来のチャネルやテクノロジーではなく、主要プロダクトのサービス提供のために技術チームを組織化することに軸足を移すと発表しました。J.P. Morganの経営陣は、「レガシーシステムとヒエラルキーに縛られた」銀行ではなく、「顧客中心のアジャイルな組織」であることの重要性を強調しています。言い換えれば、プロダクトをビジネスの中心に据え、最適な顧客体験を提供できるようにしているのです。
データもそれを裏付けています。銀行や金融サービスの利用者の大多数は、スムーズでシームレス、かつ摩擦のないデジタル体験、つまり消費者として生活の他の場面で慣れ親しんでいるのと同じような体験を期待するようになってきています。たとえば、Insider Intelligenceの調査によると、61%のユーザーが、モバイルバンキングの体験で手間取って嫌な思いをしたら、銀行を変更すると回答しています。金融機関は顧客満足度を維持し成長を続けるために、また、経済が不安定な時期に成功を収めるために、プロダクト主導型戦略を採用しています。
プロダクトには「提供するサービス」以上の意味がある
最も先進的な銀行や企業は、自社のプロダクトが単なる一連のサービス以上のものであることを認識しています。これらのデジタルプロダクトは、銀行が自らを売り込み、クロスセルやアップセルの機会を促進し、銀行が提供する価値と利便性について顧客に啓発・教育するための最良の手段です。
プロダクト主導型戦略の鍵は、顧客がアプリ内で答えを得て、必要な取引とプロセスを簡単に完了できるようにすることです。新しい口座を開設する、カードを一時的に保留にする、ローンを申し込むなど、あまりにも多くの重要な金融プロセスが、あまりにも長い間、煩雑かつ複雑で、顧客の時間を不必要に浪費してきました。プロダクト主導型企業は、ユーザージャーニーに関する新しいイノベーションと考え方を通じて、これを変えようとしています。
「これならできる」と思えた顧客は、さらに満足を感じる
たとえば、顧客がプロセスを完了する瞬間にアプリ内ガイドを展開してターゲティングすれば、シームレスに次のステップに案内できます。また、プロダクトアナリティクスにより、フィンテック企業は顧客がどのように時間を使っているか、どこで行き詰まっているかを理解し、ロードマップの修正や新機能の優先順位付けに役立てることができます。
技術チームは、どのユーザーセグメントが新機能やプロダクトに最も関心があるかを見極め、そのグループをセグメント化して、ターゲットを絞ったアプリ内通知と各種キャンペーンを受け取れるようにします。最も重要な時に最も重要な場所で、つまりユーザーがプロダクトを使っている間にプロダクト内でフィードバックを収集する場合も同様です。銀行や金融サービス組織は、顧客の優先事項を知ることで、それを自分たちの優先事項にすることができるのです。
顧客が満足していると、企業も満足し、健全になる
インフレが加速し、予算が凍結され、経済全般が低迷している現在、銀行や金融サービスにおいて顧客に苦痛のない直感的なデジタル体験を提供することは、これまで以上に優先される課題となっています。自社のプロダクトを活用して重要なステップを自動化し、適切なサポートを提供し、ユーザーのセンチメントを把握することで、金融機関はあまりコストをかけずに成功へと進むことができます。満足度の高い顧客は、解約する可能性が低いだけでなく組織の支持者になる可能性が高くなり、より忠実な顧客ベースの拡大と、それによるビジネス成果の向上につながるのです。
プロダクト自体を活用してユーザー体験を向上させることで、銀行や金融機関は、この経済情勢から抜け出す際に、回復力と効率性を高め、さらに多くの価値を提供する準備をすることができます。
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