この記事をお読みになっている方はすでに、適切なデータを保有することが、企業が最善の決定を下すために重要であることをご存じでしょう。
たとえば、プロダクトチームはPendoの強力な使用状況アナリティクスを活用することで、ユーザーの行動や苦労している点、プロダクトからどのように価値を得ているかなどのインサイトを得られます。これにより、作業に優先順位をつけ、より自信を持って迅速に対応を進めることができます。
ただし、チームが異なれば、チームにとって最も有意義な指標についてのインサイトを得るために使用するツールも異なります。プロダクトチームはPendoを使い、営業チームはCRMを使い、サポートチームは問い合わせチケットツールを使う、などという状況が無限に起こっています。
このような事態により、企業にとってまったく新しい問題、すなわち、データ過多なのにインサイト不足という問題が生じています。私たちは、全社の各チームが自らの業務に関連するデータを収集し、分析するのをよく目にします。しかし、生み出されたインサイトが自らのチームを超えて活用されることはありません。チームやシステム間の点と点を横断的につなげなければ、企業は簡単に全体像を見逃してしまいます。
企業にとって正しい決定を下すには、全体像を把握することから始まります。今日、データ駆動型の組織は、こうしたさまざまなソースから最も重要なデータを取り出し、ビジネスインテリジェンスツールに統合しています。プロダクト、カスタマーサクセス、マーケティング、セールス、ビジネスリーダーシップの各チームがデータに基づく意思決定を大規模に行うには、組織全体のすべての貴重なデータを1つのソースで一元管理する必要があります。
このトピックをさらに掘り下げるため、Cooper Triggs(Pendoのシニアプロダクトマネージャー)は、Manav Bhatia氏(Google Cloudの戦略的パートナーシップ担当プリンシパル)、Tridivesh Sarangi氏(Workatoのプロダクト主導の成長担当VP)と共に、コネクテッドデータのエコシステム構築の重要性について議論しました。以下にこの議論の要点をご紹介します。
1. コンテキストに沿ったデータにより競争上の優位性を築くことができる
リソースが制約され、競争優位性が極めて重要な経済状況において、統合されたデータエコシステムを構築している企業は、より迅速な意思決定を行い、俊敏性を維持しています。そのためには、データの完全性だけでなく、データのコンテキスト化が重要となります。あなたはすべてのデータを確認しているだけですか?それとも、データが何を示しているのかを本当に理解していますか?
たとえば、Pendoを活用して、貴社のプロダクトユーザーの行動データを収集していると仮定しましょう。確かに、各ユーザーのプロダクト使用中の行動を実際に見ることはできます。しかし、完全なユーザー体験とは、個々のプロダクト活用方法の枠組みに収まりきらないものです。ユーザーはどのようにしてプロダクトを知ったのでしょうか?アカウントの健全性はどの程度ですか?ユーザーはヘルプセンターの記事を読んだり、サポートチームに問い合わせたりしていますか?
過去の閲覧データからユーザー行動をコンテキスト化したり、ユーザーが貴社のプロダクトについて知るためにどのようなリソースを使用しているかを理解したりすることで初めて、ユーザーの体験をパーソナライズし、貴社のプロダクトをユーザーにとってより価値のあるものへと改善することができるのです。
Sarangi氏は、Workatoでのコンテキスト化されたデータエコシステムの活用方法や、Pendoのプロダクト使用状況データと、企業・役割・ユースケースなどの主要なアカウントやユーザーデータを結びつける方法をご紹介くださいました。Workatoでは、このような融合されたデータを活かしてPendoのアプリ内ガイドを使用し、高度にパーソナライズされた体験を構築することで、より成功する(つまり、より定着する)ユーザーを育てています。
2. データエコシステムの構築によりチーム間の橋渡しを実現できる
データ収集に使用しているすべてのツールに精通する必要はありません。しかし、インサイトを信頼できる1つのソースに確実に集約するためには、1人の担当者がプロダクト、マーケティング、セールス、サポート、財務・会計などの各チームと連携する方法を手広く考慮する必要があります。ここで役立つのが、データウェアハウジングツールです。このツールはすべてのソースを融合して統合し、そこに内在するインサイトを迅速に利用できるよう支援します。
Workatoの「データパズル」は、SalesforceやMarketoからのインサイトをはじめとし、請求ツールや顧客教育コースに至るまでのあらゆるインサイトで構成されています。データパズルのピースを組み立てるのは手間がかかるかもしれませんが、これを実行するメリットは否定できません。ターゲットとなる購入者をより深く理解し、チーム全体での意思決定を促進するための共通言語とデータソースを作成することで、最も効果的なビジネス上の意思決定を行っていると確信できるようになります。
3. データ戦略の策定は「理由」の追求から始まる
企業は、膨大な情報量に委縮して、独自のデータエコシステムの構築を敬遠しがちです。当然のことながら、どこを起点として着手すればよいのかを判断するのは難しいでしょう。しかし、Bhatia氏とSarangi氏は、最良のデータ戦略を練るためには小さなステップから始めることを推奨しています。
組織にとって効果的なデータ基盤を構築する際は、「理由」を追求することから始めましょう。事業目標(および目標到達に必要な一握りの主要なデータソース)を明確にし、その点に確信が持てるようになってから事業を拡大していきます。データに関しては、量が多ければ多いほど良いというわけではありません。膨大なデータの海に溺れてしまうようでは、インサイトに辿り着くことさえできません。
「目的もなくデータを収集するだけでは何の解決にもなりません。ここで推進したい実質的なインパクトが何か、自問してください。それが成長であれ、効率であれ、他のビジネスKPIであれ、目指す地点を明確にすることが重要です。続いて、その目標に特化したチームを編成します。目標を実現できるデータに精通したチームが必要です...しかし、小さなステップから始めて、実験し、学習し、徐々に拡大していく必要があります。」
明確で達成可能な「理由」を起点とすることで、チームを横断してデータ主導型の意思決定の文化を構築し、複数のデータソースを結びつけるとより良い成果が得られる理由を早期に実証できます。
コネクテッドデータのエコシステム構築の重要性をさらに深く掘り下げるには、Triggs、Bhatia氏、Sarangi氏の議論全体を収録した以下の動画をご覧ください(英語)。Pendoのデータと貴社のビジネスを連携することにご興味のある方は、Pendoのデータ同期機能について、担当者にお問い合わせください。