ベストプラクティス

デジタルトランスフォーメーション(DX)におけるプロダクトディスカバリーの役割

2023年8月25日公開
顧客とブランドおよび従業員と業務をつなぐプロダクトをDX戦略推進の中心に据えるべき理由

適切なフィーチャーを開発する鍵は、プロダクトデータの理解にあります。プロダクトデータとは、顧客のプロダクトの使用方法、利用されているフィーチャー、完了率の低いワークフロー、フィードバックなどを含みます。こうした情報のすべてを理解することがプロダクトディカバリーの推進力となり、組織のデジタルトランスフォーメーション(DX)プロジェクトにおいて重要な要素になります。

DXの観点から言うと、プロダクトディスカバリー(プロダクトの発見)とは、新しいプロダクトやフィーチャー、既存のサービスの改善点を特定・定義・検証するプロセスです。そのため、プロダクトディスカバリーに取り組むことで、以下の3つの点でDXの効果が高まります。

新しいプロダクトやフィーチャーの機会の特定

優秀なプロダクトチームは、プロダクトディスカバリーを継続的に実行しています。同様に、成果を上げているDXプロジェクトでは、プロダクトやプロセスの段階的な変更による影響を継続的に評価することを非常に重視しています。

プロダクトディスカバリーの基盤となるのが、プロダクトアナリティクスフィードバックです。これらを組み合わせて活用することで、プロダクトチームは既存のフィーチャーやプロセスを改善し、顧客が抱える既知または未知の課題の解決策となるプロダクトやフィーチャーのアイデアを得ることもできます。さらに、プロダクトに加えた変更が実際に自社の利益に与えている影響を「リアルタイム」で評価することも可能です。

たとえば、プロダクトの使用状況データを見れば、共通の役職や役割を持つユーザーコホートが特定のタスクの完了に苦戦している状況を把握できるかもしれません。そのうえで、該当のユーザーがアプリ内で提出したフィードバックを読むと、彼らが関連する問題の解消を求めているのに、現在その解決策を提供できていなかったことを認識できます。さらに、ユーザーが既存の機能を使用して、顕在化していなかった問題を解決しようとしていたことが判明する場合もあるでしょう。こうしたインサイトが得られれば、その情報をロードマップに反映し、プロダクトチームは顧客の抱える課題を解決できる新しいフィーチャーやワークフロー、プロダクトの開発に取り組みやすくなります。

顧客中心のチームの構築支援

DX戦略における決定的に重要な要素とは、その達成までの道のりに顧客に参画してもらうことです。顧客が社外のユーザーであっても、社内の従業員であっても同様です。そのためには、単に変更点を伝達するだけでなく、顧客のニーズやフィードバックをロードマップに組み込む必要があります

その点、プロダクトディスカバリーは顧客や関係者に直接関わる作業であるため、プロダクトチームはお客様の声(VOC)を理解し、それに基づくアクションを取りやすくなります。さらに、開発プロセスの早い段階から情報を得ることで、プロダクトチームからエンジニアリングやマーケティングチームに至るまで、組織全体で顧客の期待に沿った適切な目標に注力できるようになります。このような総合力を活かし、たとえば、マーケティングチームはよりカスタマイズされたキャンペーンを企画し、カスタマーサクセスチームは顧客が最も必要とするエリアのサポートを提供し、セールスチームはクロスセルやアップセルなどをより各顧客に合わせた形で提案できます。

意思決定の検証とリスクの軽減

プロダクトデータがいくら豊富であっても、実際にプロダクトを開発するとなると、人間のバイアスはもちろんのこと、勘や経験に頼りがちです。しかしこれこそが、コストのかさむミスや非効率性の拡大といった、多くの組織では許されない結果につながってしまいます。

だからこそ、プロダクトディスカバリーの取り組み全体を通じてプロダクトチームが顧客と対話し、あらゆる意思決定を検証することが重要です。組織全体にとってコストのかかるDXプロジェクトに関する意思決定であれば、なおさらです。同様に、直感ではなく客観的なプロダクトデータを使用することで、プロダクトチームは憶測の域を脱し、確信を持って物事を判断できるようになります。これにより、期待される成果が得られないプロダクトにリソースをつぎ込む可能性が低くなり、リスクを軽減し、バイアスを排除し、リリースのたびに必ず顧客の求めるものを提供できるようになります。 

Pendoの検証のようなツールがあれば、こうした取り組みはこれまで以上に簡単に実行できます。Pendoの検証機能では、プロダクトを本番環境に移行する前に、そのアイデアを大規模に検証できます。つまり、プロダクトチームは、無駄な時間とコストを削減し、付加価値の高いデジタルプロダクトや体験を通じた価値の提供に注力できるようになります。


 

プロダクトをDXプロジェクトの中心に据えるべき理由の詳細については、こちらのブログをご覧ください