優れたアプリ内オンボーディング体験がデータ主導型である理由

Sara Estes著 |

7分

 

オンボーディングとは、ソフトウェア会社(最近ではすべての会社がそうですが)が重要だとわかっていながらも、必ずしもうまくいかない取り組みの1つです。これまで多くの企業では、オンボーディングを対面式のトレーニングで行うという人間主導のプロセスに依存してきましたが、これでは規模を拡大できません。今日、優れた企業はプロダクト主導型戦略を活用し、その原則をオンボーディングに適用しています。プロダクト自体がオンボーディングを提供するチャネルになるのです。

プロダクト主導のオンボーディング(アプリ内オンボーディングとも呼ばれる)は、最終的にユーザーにとってより良い体験につながります。ペルソナグループ、役職、権限レベルなどに基づいてフローをパーソナライズできるため、ユーザーは自分に最も関連性の高い情報だけを得ることができます。また、アプリ内のオンボーディングは没入型であるため、ユーザーは集中力を維持でき、複数の手段でトレーニングを受ける際に必要となるコンテキストの切り替えに振り回されることもありません。最後に、オンボーディングをプロダクト内に導入することで、ユーザーは最も必要なときに、セルフサービスでヘルプを得ることができます。

プロダクト開発の他の分野と同様、オンボーディングにも継続的なテストと反復が必要であり、それにはデータが必要です。

オンボーディングにおけるプロダクトデータとアプリ内ガイドの重要性

アプリ内ガイド(ツールチップ、ウォークスルー、オンデマンドコンテンツなど)はアプリ内オンボーディングの基礎となりますが、オンボーディングを最適化するためには、定量的・定性的なデータを活用することも同様に重要なポイントです。アプリ内ガイドがオンボーディングを構築する方法であるならば、データはその体験をより良いものにする方法です。

プロダクトアナリティクスツールで得られるデータは、プロダクトの長期的な成功と相関性があるため、オンボーディング時にユーザーに紹介すべき機能を選択するのに役立ちます。オンボーディングフローが稼動したら、ユーザーから直接フィードバックをもらうことがフローを改善するための最良の方法です。理想的には、オンボーディングのマイルストーンを完了した直後にフィードバックを依頼するのがよいでしょう。

オンボーディングを一度構築したら終わりではなく、データを活用することで、新規ユーザーのプロダクト体験の最適化を継続的に行うことができます。ここでは、アプリ内オンボーディングにデータ駆動型アプローチを採用する5つの方法を紹介します。

1. 強調すべき適切な機能を選択する

新規ユーザーにはプロダクトの優れた機能をすべて見せたくなるものですが、ユーザーにとって最も重要なタスクを達成するために必要な、最も関連性の高い機能のみに絞ってオンボーディングを構築することが最善です。オンボーディングの構成は、主要な機能の認知度や定着率の向上、もしくはフリーミアムやプロダクトのトライアル体験からのコンバージョン促進など、達成したい目標によって大きく異なります。たとえば、プロダクトデータを使えば、プロダクトにおけるどの行動が肯定的な顧客センチメントやリテンション、トライアルからのコンバージョンなどの成果につながるかを深く理解できるため、ユーザーをそうした行動に誘導するオンボーディングフローを構築するために役立てられます。

2. 体験をパーソナライズする

おそらくプロダクトを使用するユーザーのタイプはさまざまで、ツールを効果的に使用するため、それぞれ異なるニーズや必要なワークフローがあることでしょう。すべてのユーザーに同じオンボーディング体験を提供するのではなく、ユーザーについて知っていることや、ユーザーがプロダクトに求めているものに基づいて、アプリ内のオンボーディングを調整するのが最も効果的です。このようにパーソナライズすることで、新規ユーザーがより迅速に稼動するのに役立つだけでなく、特定のニーズを満たすためにプロダクトが存在することを示すことができます。

ここでは、オンボーディングガイドをセグメント化する方法をいくつか紹介します。

    • 職名
    • 業界・業種
    • プロダクト内の権限レベル
    • 無料トライアルと有料顧客

3. 定性的なフィードバックを収集する

オンボーディングはカスタマージャーニーの重要なステップであるため、プロダクトの使い方とプロダクトが提供できる価値の両方をユーザーが理解できるよう、オンボーディングを効果的に行う必要があります。これを見出す最善の方法はユーザーに直接質問することです。

オンボーディングフローが稼動したら、アプリ内アンケートや投票調査で、オンボーディング体験に関するフィードバックを顧客に依頼します。このようにアプリ内でフィードバックを募れば、ユーザーはオンボーディングを体験したばかりであるため回答率が高くなる上、正直な回答が得られやすくなります。また、アンケートや投票調査はユーザーのワークフロー中の戦略的な瞬間に実施するのが有効です。たとえば、ユーザーのオンボーディングフローやタスクの途中でフィードバックを求めるのは避け、ユーザーがオンボーディングのステップまたはオンボーディング体験全体を完了した後に行うのがよいでしょう。

4. オンボーディングにおけるエンゲージメントを測定する

オンボーディングに対するユーザーの感じ方を知ることは有用ですが、その情報をプロダクトでのオンボーディング中の行動データと組み合わせる必要があります。ウォークスルーをすべて完了していますか?オンボーディング体験でユーザーが最も関わっているのはどの部分ですか?どこで離脱していますか? 

プロダクトアナリティクスデータを活用することで、ユーザーがオンボーディングコンテンツにどのように関わっているかを把握できます。ここでは、いくつかの重要な指標を紹介します。

    • ガイドの閲覧数:オンボーディングのアプリ内ガイドを閲覧したユーザー数と、ターゲットにしたユーザー数を比較します。これにより、想定していたリーチが達成できたのか、それとも達成を妨げるエラーがあったのかを把握できます。モバイルオンボーディングのヒント:ユーザーにオンボーディングガイドに戻ってきてもらうため、アプリ全体に状況に応じた視覚的なヒント(バッジやアイコンなど)を使用することを検討してください。こうすることで、ユーザーは最初にアプリを操作してみたうえでオンボーディングジャーニーを自ら選択できます。
    • ガイドステップの完了度:オンボーディングウォークスルーがある場合、ガイドステップの完了状況を確認して、ユーザーがウォークスルー全体を完了しているかどうか、それとも一定のステップ数の後に脱落しているかを確認します。モバイルオンボーディングのヒント:モバイルアプリの場合は、ユーザーがオンボーディング情報を咀嚼して各ステップを完了しやすくするように、簡潔なコピーを持った4~5ステップのカルーセルを使用することを検討してください(モバイルの画面は小さいことに注意してください)。
    • ガイド表示時間:ユーザーがアプリ内ガイドに費やした時間は、ユーザーがそのアプリに価値を見出しているかどうかを示す良い指標となります。ガイド表示時間が短い場合は、各ガイドに含めるコンテンツを調整する必要があるかもしれません。画像や動画など、より魅力的なフォーマットを追加する余裕はありますか?ガイドに新規ユーザーにとって複雑すぎる表現は含まれていませんか?モバイルのオンボーディングのヒント:重要なタスクやオンボーディングステップが完了したら、「おめでとうございます!」などと表示して完了を通知します。こうすることでユーザーをアプリに引き込み、最初からポジティブな印象を残すことができます。

5. プロダクト使用状況への影響を追跡する

オンボーディングでのエンゲージメントを測定するだけではなく、オンボーディング後の顧客のプロダクトの使い方にオンボーディングがプラスに影響しているかどうかを知りたいはずです。まず、プロダクトアナリティクスを使って、オンボーディングフローで新規ユーザーに案内した機能の使用状況を追跡します。時間の経過とともに機能の使用が増加するか、比較的安定していることが理想です。また、オンボーディングを設定する前の機能の使用状況と比較することで、オンボーディングがもたらす効果をより理解することもできます。

さらに、ファネルを使用して、新規ユーザーがオンボーディングウォークスルーのステップをどのように通過するか(または通過したかどうか)を測定できます。3ステップのウォークスルーがある場合、そのステップを反映したファネルを構築し、セグメンテーションを使用して、測定しようとしているガイドと関わったユーザーにセグメントを適用します。こうすることで、オンボーディングで紹介したタスクの完了からユーザーが逸脱している箇所を確認できます。

アプリ内オンボーディングを始める準備はできましたか?Pendoリソースセンターのオンボーディングチェックリストでは、ユーザーが自分の好きなペースで学習して、オンボーディング体験を管理する方法を紹介しています。