顧客の解約リスクを先読みするためのPendoの3つのデータポイント

Sara Estes著|

6分

 

「何が何でも成長する」というのは、長年にわたって新興企業や大企業の信条でしたが、この戦略は急速に薄れつつあります。今や、企業は効率的な成長に焦点を当てなければなりません。そして、効率的な成長の鍵のひとつとなるのは、既存の顧客を維持することです。

顧客の健全性に関して言えば、チームは消極的から積極的な活動へとシフトする必要があり、これはすべてデータから始まります。プロダクトアナリティクスを使用すると、ユーザーがプロダクトに戻ってくる頻度や、使用している機能を簡単に確認できます。これらは、ユーザーが価値を得ているかどうかの2つのシグナルとなります。ユーザーがプロダクトに価値を見いだせなければ、完全に見切りをつけ、最終的には解約してしまうリスクがあります。

ユーザーや顧客の健全性を把握するのに役立つPendoの指標を、いくつかご紹介します。

    • ログイン数:特定の期間(例:過去30日間)における、特定のアカウントの全ユーザーのログイン数を表示
    • アクティブユーザー数:特定の期間(例:過去30日間)における、特定のアカウントのアクティブユーザー数を表示
    • アクティブ日数、サイト滞在時間、および使用状況の傾向:これらの指標をレポート(訪問者またはアカウントレベル)にまとめ、リスク傾向にあるアカウントを迅速に特定
    • 粘着性ウィジェット:一定期間における、1日または1週間の平均アクティブユーザー数と、週または月の平均アクティブユーザー数の比率をを追跡

上記のような使用状況の指標を常に追跡することに加え、Pendoを使用して顧客の健全性を測定し改善するための積極的なアプローチを取る3つの方法をご紹介します。

1. プロダクトエンゲージメントスコア(PES)

プロダクトエンゲージメントスコア(PES)は、ユーザーエンゲージメントをひとつの数値で測定できるようにしたPendoの複合指標です。これは3つの要素(定着率、粘着率、成長率)から構成されており、チームはエンゲージメントの概要を理解するのと同時に、エンゲージメントに寄与する個々の指標を掘り下げることができます。

PESを継続的に追跡し、ユーザーエンゲージメントを向上させる機会を特定するだけでなく、解約の予測や防止にも活用できます。Pendoのデータサイエンスチームは、プロダクトエンゲージメントスコアと契約更新データを分析した結果、PESが顧客のリテンション(定着率)と相関していることを発見しました。更新の決定に至るまでの数か月間、PESが最も高いアカウントは更新・拡大する可能性が最も高く、PESがやや低いアカウントは据え置きで更新される可能性が高く、PESが最も低いアカウントは解約と相関していました。

これを理解していれば、プロダクトエンゲージメントスコアを顧客の健全性の先行指標として使用することができます。PESが減少している場合は、その3つの構成要素それぞれを掘り下げて、どの指標が平均を押し下げているのかを確認します。

それが確認できたら、Pendoのアプリ内ガイドで、ユーザーの積極的な行動を促し、プロダクトの価値を示すことができます。以下にその例を挙げます。

    • アプリ内のウォークスルーやツールチップを作成し、プロダクトの最も重要な機能の発見と使用を促進する。
    • プロダクトへのアクセス頻度が高いユーザーが使用する機能を特定する。次にアプリ内キャンペーンを実施し、他のユーザーをプロダクトのその領域に誘導する。
    • Pendoのリソースセンター使用して、プロダクトのウォークスルーやヘルプセンターの記事、ドキュメントにユーザーがいつでもアクセス可能な常時オンのハブを作成する。

2. リテンション

ユーザーリテンションは、特定の期間(通常1か月または1週間)内の初回使用ユーザーを調べ、そのユーザーのうち、その後の期間に戻ってきたユーザーの割合を計算したものです。これにより、顧客がプロダクトに価値を感じているかどうかを把握することができます。顧客が継続的にログインしない場合は、プロダクトに価値を感じていない可能性があります。また、リテンションデータをセグメント化することで、ユーザーベースの様々なグループ(役職が異なるユーザーなど)の違いを理解することも可能です。

Pendoでは、いくつかの単純なステップでリテンションデータを簡単に表示できます。

    1. [行動(Behavior)]、[リテンション(Retention)]の順にクリックします
    2. ソースに[すべてのアクティビティ(All Activity)]を選択します
    3. アプリケーション、コホートのタイプとサイズ、セグメント、日付範囲など、残りの設定を選択します
    4. リテンションが下がり始めた場所のボックスをクリックすると、「離脱」した訪問者のリストが表示されます

あるコホートのリテンションが著しく低下した場合は(例:前月に比べて訪問者やアカウントの定着率が半分になった)、介入を計画する時期が来ています。これらのユーザーを今すぐ軌道に戻すことができれば、将来の解約を防ぐことができます。このコホート内のユーザーのCSVをダウンロードし、それを使ってこれらの特定のユーザーのセグメントを作成します。次に、そのセグメントを使って、アプリ内での行動をさらに掘り下げます。— 行き詰まっている特定のワークフローやステップはあるか? プロダクトの主要な機能にアクセスしているか?— またセグメントを使用して、これらのユーザーにアプリ内ウォークスルーやチュートリアルを提供し、プロダクトを最大限に活用してもらうことも可能です。

3. 価値の高いフィーチャー(機能)の使用

どのプロダクトにも、最も重要なフィーチャーが備わっています。それは、顧客が価値を実感し、長期にわたってアプリケーションを使い続けるために不可欠なものです。たとえば、ビジネス経費レポートツールであれば、「レポート作成」ボタンがそのフィーチャーのひとつです。 

もし、ユーザーがプロダクトの価値の高いフィーチャーを使用していないことが分かった場合、それはそのユーザーが価値が得られていないことを示しており、将来の解約の初期兆候となり得ます。Pendoでこのデータを見る方法のひとつは、アカウントレポートを使うことです。以下は、その手順です。

    1. 左側のサイドバーで、[ピープル(People)]、[アカウント(Accounts)]の順に移動します
    2. [アカウントレポート(Account Reports)]タブをクリックし、[レポートの作成(Create Report)]ボタンをクリックします
    3. レポートを作成し、適切なセグメントを選択します(例:企業アカウントのデータのみを確認したい場合)
    4. 価値の高い機能の使用、ガイド閲覧数、投票調査の回答数など、レポートに列を追加します
    5. レポートを使用して、どのアカウントがコア機能にアクセスしているか、それらが関連するアプリ内ガイドや投票調査に参加しているかを確認します

ユーザーが特定の重要な機能を使用していないことがわかった場合は、その行動の背後にある「理由」を把握するために、検討を開始します。— これらの機能をユーザージャーニーの早い段階から紹介するようなオンボーディング体験はあるか? これらの機能は複雑であるため、追加のアプリ内コンテキストと教育が必要ではないか?— 特に新規ユーザーの場合は、アプリ内体験を見直し、Pendoガイドを使用して、ユーザーがプロダクトで成功するために必要なツールや情報を確実に入手できるようにします。

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