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プロダクト主導の成長戦略を使用してプロダクトマーケットフィットを見つける方法

2023年3月7日 公開

どのようなソフトウェア企業にとっても、プロダクトが市場の明確なニーズを満たすことで、プロダクトマーケットフィットを獲得することは、重要なマイルストーンであり、成功の証です。それはまた、ベンチャーキャピタルが、あるビジネスに投資かどうかを評価する際に注目するものでもあります。

最も成功している企業のもうひとつの共通点は、プロダクト主導型であるということです。プロダクトは単に販売するだけでなく、顧客獲得からオンボーディング、サポート、更新、そしてその先に至るまでの、顧客体験全体を牽引しているのです。これは、より効率的な成長を促進し、これらの企業が重要なマイルストーンをより早く達成し、競合他社を上回るのに役立っています。

では、プロダクトマーケットフィットとプロダクト主導型成長(PLG)の間にはどのような関係があるのでしょうか。これは、Battery Ventures社の副社長であるSudhee Chilappagari氏とPendoのプロダクトグロース担当VPであるNichole Maceが出演する最近のウェビナーのテーマでした。ここでは、このセッションから得られた重要なポイントについて説明します。

プロダクトマーケットフィットのフライホイールとは?

Chilappagari氏は、有用な比喩を用いてプロダクトマーケットフィットについて説明しました。プロダクトが市場になじまないのは、釣りがうまくいかない日のようなものです。たくさんの釣り糸を垂れているのに、何も食いついてこないのです。一方、プロダクトマーケットフィットはその逆で、プロダクトに対する本質的な需要が多すぎて追いつけないほどなのです。

ほとんどの企業にとって、プロダクトマーケットフィットを見つけることはプロセスであり、そこでフライホイールが登場します。関連する手順は次のとおりです。

    • 顧客を獲得する
    • プロダクトの定着化を促進する
    • プロダクトの使用状況から学ぶ
    • より優れたプロダクトを構築する

プロダクトと市場が適合している場合、このフライホイールは自動的に回転するはずです。継続的に顧客を獲得し、プロダクトの使用率を上げ、その使用方法から学び、プロダクトをさらに改善するために反復を行うことができます。

プロダクト主導の成長の7つの原則

プロダクト主導の成長には多くの要素がありますが、Maceは企業が心に留めておくべき7つのPLG原則を共有しました。

    1. ユーザーに無料でプロダクトを体験してもらう。これは、プロダクト全体の一部に無料でアクセスできるようにすること、ユーザーに無料で試せるウィジェットを提供すること、あるいは期限付きの無料トライアルを提供することを意味します。
    2. 「アハモーメント」をできるだけ早く提供する。ユーザーにプロダクトの価値を早く理解してもらうことは重要です。しかし、この「アハ体験」は、すべてのユーザーにとって同じではない可能性が高いことは覚えておいてください。
    3. 新規ユーザーに対して「ベストインクラス」のユーザビリティを約束する。これは、ユーザーの行動から学ぶことです。例えば、ワークフロー中にユーザーが離脱するのを見つけた場合、セッションを再生してユーザビリティの問題を特定し、それを修正することができます。
    4. 無料ユーザーを大いに喜ばせ、プロダクトを習慣化させる。原則2と3に基づき、究極のゴールは、ユーザーが貴社のプロダクトを大変気に入り、リピートしてくれるようにすることです。
    5. 購入することが、ユーザーにとって自然に進むべき次のステップだと感じさせる。ユーザーに、貴社のプロダクトのプレミアムバージョンにお金を払っても大丈夫だと感じてもらいましょう。より高い価値を得られるとわかっているからこそ、ユーザーは抵抗なく支払うことができるのです。
    6. 実験と反復は大々的なリリースにも勝る。プロダクト主導の成長とは、何かを作って振り返らないことではない。時間をかけて小さな変更を加え、実験から学び、常に反復することなのです。
    7. あらゆる場面で口コミを構築する。PLGを使えば、ユーザーが最高の営業兼マーケティングリソースになります。ユーザーがプロダクトの一部を簡単にシェアしたり、他のユーザーを紹介したりできるようにしましょう。

PLG戦術でプロダクトマーケットフィットを見つける方法

さてここからは、プロダクトマーケットフィットのフライホイールとPLGの原則を組み合わせてみましょう。企業はプロダクト主導の成長戦略を使用して、プロダクトマーケットフィットのフライホイールを前に進め、フライホイールが自力で回転するところまで到達することさえできます。それぞれのステップがどのようなものかをご紹介しましょう。

    • 顧客を獲得する:無料プロダクトは、新規顧客を獲得し、有機的なインバウンド需要を促進する究極の方法です。この場合、顧客はあなたのプロダクトにアクセスするために進んでサインアップするので、顧客の意図も高くなり、実際に使い始める可能性も高くなるのです。
    • プロダクト導入を促進する:PLGでは、無料のプロダクトで有機的なユーザー獲得を促進することができるため、定着率を増やすことが容易になります。また、ユーザビリティや「ハッ」とするような体験の創造に投資しているため、ユーザーは自分のニーズを満たすプロダクトを導入し、継続的に利用する可能性が高くなります。
    • プロダクトの使用状況から学ぶ:定着率を高めることができれば、ユーザーやプロダクト体験全体について有意義なインサイトを得るためのデータポイントが増えます。
    • より良いプロダクトを作る: 常に流れてくるプロダクトデータを使って、実験を行い、プロダクトを改善するために素早く反復することができます。プロダクトは毎週改善され、コアとなるユーザーペルソナが明確になりやるべき仕事が明らかになることで、セールスやマーケティングの獲得活動にも役立ちます。

プロダクトマーケットフィットとPLGについてさらに深く理解したい場合は、Chilappagari氏とMaceのディスカッション全体をご覧ください(英語)。