ベストプラクティス

従業員のSalesforce体験を向上させる3つの方法

2024年12月17日 公開
販売者は複雑なSalesforceの実装で迷うことがあります。これらの戦略を使用して、そのようなことが起こらないようにしましょう。

かつて、業務のあり方は整然とした組立ラインのようなものでした。従業員は、どこで作業が滞っているかを特定し、ラインを停止して問題を解決していました。対して今日では、ほとんどの(かつ大量の)業務がソフトウェア内で行われています。

あらゆる規模の企業が、生産性、効率性、そして最終的に収益を改善するためにアプリを多用しています。2024年だけで、平均的な企業の従業員は231のアプリを使用しており、この数は昨年から4%増加しています。

これだけ多くのツールが存在すると、企業の技術スタックはスムーズで連続的な組立ラインというより、ニューヨークの地下鉄システムのように見えてきます。各ソフトウェアには、ワークフローの一部として、それぞれ独自の目的とユーザーがあり、ワークフローには、重複するものと重複しないものがあります。これらは皆、それぞれにユーザーを目的地に導こうとしています。

収益の成長はSalesforceの定着から

デジタル導入が不十分な場合、一般的に3つの結果が生じます。コンプライアンス違反のリスクの増大、従業員の離職率の増加、時間と費用の損失です。これは、Salesforce内においては、営業サイクルの長期化、リードコンバージョンの低下、不正確な予測、コンプライアンス・法的な問題として現れる可能性があります。

交通システムと同様に、Salesforceエコシステムは、販売者をできるだけ早く目的地に到達させる必要があります。しかし、具体的にはどこから(そしてどのように)始めればよいのでしょうか。 

1. 従業員のワークフローを把握し、理解する

まずは悪いニュースから。アプリケーションでの否定的な経験の後に、使用を最小限の機能にとどめ、アプリケーションの使用を避けたり、延期する従業員は40%に上ります。また、サードパーティのソフトウェアを使用すると、こうした否定的な経験の制御が難しい場合もあります。

対して、良いニュースもあります。データドリブン型の従業員教育ツールを使用すれば、これを克服できます。先進的な企業は、従業員のソフトウェア使用状況に関するデータに基づいた実用的なインサイトを、3つの方法で生成しています。 

ユーザーエンゲージメントの分析

さまざまな権限を持つSalesforceライセンスが一定数存在しますが、従業員がログインしているかどうかを把握しても、デジタルワークプレイスの価値の全体像は見えてきません。ユーザーがSalesforceをどのように、どのくらいの頻度で使用しているかといった追加のコンテキストがITと運用のコストを削減するうえで役立ちます。

摩擦の解消

また、収益チームのワークフロー内の各アプリを確認し、それがすべての従業員に最良のデジタル体験を提供する上で役立っているかどうかを考慮する必要があります。Sales Cloudで最も一般的なパスが最も最適なパスではない場合、この摩擦は潜在顧客の開拓、アカウント管理、予測とパイプライン、そして収益に悪影響を及ぼします。

従業員への共感

数字だけでは不十分で、さらに深く考える必要があります。従業員との共感を築くには、その経験に寄り添うことが大切です。これを実践するには、実際のワークフローのリプレイを安全でスケーラブルな方法で視聴する方法が有効です。 

ユーザーがどこで行き詰まったか、どこで不満を抱えてクリックし、離脱したかを視覚化でき、存在を知らなかったショートカットを見つけることもできます。「百聞は一見に如かず」なら、再生がもたらす価値は言うまでもありません。

計画がないと、Salesforceの使用に関するインサイトは無駄になります。ワークフローの完了率を上げることやサポートコストを下げることなど、1つまたは2つの最終目標を念頭に置いて始めましょう。徹底的な優先順位付けは、導入とエンゲージメントの目標達成に役立ちます。

2. 何をしてほしいかを従業員に伝える

L線に乗っている乗客は、他の路線のメッセージを受け取りたくありません。職場でのコミュニケーションも例外ではありません。 

Salesforceの定着を促進する最良の方法は、従業員に何をすべきかを正確に示すことです。トレーニングコンテンツの70%は24時間以内に忘れ去られるため、最も効果的なコミュニケーション方法は、ユーザーがSalesforceを積極的に使用しているときに働きかけることです。これにより、リモート勤務で世界中に分散している従業員のトレーニングも容易になります。アプリ内に組み込まれたガイダンスを使用して、販売サイクルを通じてユーザーを案内し、リソースを提供し、ワークフロー内で直接問題をエスカレーションすることもできます。

時には、一般的なアプリ内コミュニケーションでは十分ではないことがあります。ユーザーのSalesforceへのログイン頻度が不十分であるほか、メッセージを無視している可能性もあります。ユーザー情報やアプリ内の行動に基づいてコミュニケーションをターゲティングし、パーソナライズすることで、これに対処します。 

  • 経験レベル。エントリーレベルの販売者は、経験豊富な営業ディレクターよりも詳細なプラットフォームの説明を必要とするかもしれません。
  • ペルソナと実行すべき業務。テクニカルアカウントマネージャーのSalesforceの操作方法はBDRとは異なります。アナリティクスのセグメントとアプリ内アンケートを使用することで、次に何をすべきかについて、このレベルの洞察とガイダンスを提供できます。
  • 言語と地域。Pendoのライティングアシスタントのような組み込みAIツールを使用すると、事業を展開するすべての国の従業員向けにコミュニケーションを作成・翻訳できます。
  • アプリ内行動。ユーザーがログインしていない場合、アプリ内メッセージは見逃されます。従業員がアプリ内で行ったこと(や行わなかったこと)に基づいてメッセージを送信するには、メールなどのアプリ外チャネルを使用します。Pendo Orchestrateを使用すると、ターゲットを絞ったキャンペーンでこの1対1のパーソナライゼーションを簡単に拡張し、望ましい行動を促せます。

実際のユースケース:ガイドを使用してコンプライアンスを促進

ほとんどの企業には違法または有害なシステムを設計する余裕はありませんが、コンプライアンスとガバナンスを確保することはそれほど簡単ではありません。 

Pendoを利用しているあるグローバル銀行が、特定の国で事業部門を売却した際、その販売者は競業避止義務を遵守する必要がありました。この法的要件について売り手に注意を促すために、同行はSalesforceにガイドを追加し、銀行員に同国の顧客をターゲットにしないように注意を促しました。これにより、コンプライアンスが確保され、リスクが軽減され、利益が保護されます。

3. フィードバックを継続的に収集する

製品使用データだけでは従業員のSalesforce体験の半分しか理解できません。Salesforceワークフローを本当に改善するには、従業員に意見や感想を聞き、定性データを収集する必要があります。

新しいガイドをリリースしたら、アプリ内でフィードバックを求めて、コミュニケーションが役立ったかどうかを確認します。また、毎日Salesforceを使っているユーザーである従業員のアイデアも募るべきです。担当業務の内容を理解しているのは従業員自身だけです。

これには、従業員ネットプロモータースコア(eNPS)、アプリ内投票とアンケート調査の実施、さらにはフィードバックを記入する場所Pendo Listenのアプリ内ウィジェットなど)の提供が有効です。その後、Pendo AIによって従業員の感情をコアテーマに要約させます。

定性的なフィードバックは定量的なアナリティクスを強化し、データの背後にある「理由」を理解するうえで役立ちます。 


 

従業員体験の向上は必ずしも直線的に進むわけではありませんが、これらのベストプラクティスは、強力なSalesforceの使用の基盤を築くのに役立ちます。 

Salesforceの「トランジットマップ」を作成し、改善すべきワークフローを特定し、アプリ内メッセージ、ツールチップ、ウォークスルーを使用して行動変化を促す場所を見つけ、従業員の声に耳を傾けましょう。詳細についてはSalesforce向けPendoを探索するか、専門家にご相談ください。