アプリ内メッセージによるクロスセルとアップセルの5つの方法

Sara Estes著  | 

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新規のお客様を獲得するよりも、既存のお客様を維持する方が効率的だという考えが広がっており、多くの企業は内向きの既存顧客ベースに焦点を当てています。これは、長期的な顧客のリテンションを促進する方法でお客様を確実にサポートできること、自社プロダクトでさらに多くの価値を提供する機会を得られることの両方を意味します。

メールやその他の従来型チャネルが騒音のようになる中、お客様に働きかけるための最も効果的な方法は、アプリケーション自体の中にあります。すでにアプリ内メッセージを使って、ユーザーに最新情報やお知らせを伝えている方もおられるでしょう。ですが、タイムリーに関連性の高い価値を付加できるツールとして、アプリケーションを活用するにはどうすればよいでしょうか。

アプリ内のクロスセルとアップセルの鍵は、お客様の状況に応じた情報を(プロダクトの使い方に基づいて)提供し、できるだけ簡単にアップグレードできるようにすることです。プロダクトの使用状況データからのインサイトによって、ターゲットとすべきユーザー、および各ユーザーグループがメリットを享受できる機能を、より的確に把握できます。最も重要なことは、オファリングの背後にある「理由」を常に提供することです。つまり、ユーザーにとってどう役立つのか、そしてなぜ購入すべきなのかということを明らかにします。

ここでは、アイデアのきっかけとなるよう、アプリ内コミュニケーションを活用してクロスセルや拡大を図る5つのユースケースを紹介します。 

1.緊急課題の解決

お客様の緊急課題を迅速に解決するアップグレードオプションをプロダクトに組み込む方法を考えてみてください。たとえば、アプリケーションを使うためにユーザーがストレージスペースを購入する必要がある場合、ストレージの残容量が少なくなったことを知らせるためにアプリ内通知を利用し、追加購入できる直接リンクもあわせて提供するという方法があります。また、アプリ内ガイドを作成して、ユーザーが知らないかもしれないアップグレードオプションについて知らせることもできます。このようにプロダクトの中にコミュニケーションの場を設けるという行為は、単純ですが大きな効果を発揮します。

2.トライアルのお客様のコンバージョン

トライアルユーザーのグループがいる場合は、まずプロダクトの使用状況データを調べて、有料のお客様へとコンバージョンするためのパターンを見つけます。コンバージョンにつながる機能やワークフローが特定できたら、アプリ内ウォークスルーを設定して、ユーザーをプロダクトの特定の機能やアクションに誘導することができます。開始する際には、最初の目標(例:トライアルのコンバージョンを10%増加する)を設定し、進捗を追跡します。

3.1つの高価値機能にフォーカス

アップセルを行う場合、幅広くアプローチするのではなく、ユーザーグループが現在料金を払っていない特定の機能に焦点を絞る戦術の方が効果的です。次に、ユーザーベースの中から、このセグメントを対象としてアプリ内メッセージキャンペーンを作成し、機能を追加することでどのようにワークフローを改善できるかについて、情報と事例を提供します。また、プロダクトデータをもとにユーザーの多くが一緒に利用している機能を2つ特定し、現在のサブスクリプションまたはアカウントで、どちらか1つしか使っていないお客様をターゲットにすることもできます。

4.プロダクトデモの自動化

究極のアプリ内コミュニケーションは、営業チームを巻き込むことなくお客様にプロダクトを紹介する自動のデモです。これは、お客様が現在使用していない可能性のあるプロダクトの一部を、追加でお客様に見せる場合に特に効果的です。体験をさらにパーソナライズするために、提供するコンテンツ(ビデオ、お客様の成功事例など)をユーザーの役割、アカウントの種類、またはユースケースに合わせて調整できます。また、関連する価格や購入情報に容易にアクセスできるように、デモの中でそれらのリソースへのリンクを貼るなどの対応が必要です。

5.新しいペルソナをターゲット化

プロダクトを使って新しいペルソナが特定できた場合は、そのペルソナが活用できていない可能性のある機能を使って、より良いサービスを提供する方法を検討してください。これらのお客様のアプリケーションの使い方が、既存のユーザーベースの使い方とどのように異なるかを追跡すれば、使用を促進し、アップグレードを提案する機会を得ることができ、お客様固有のニーズを満たすことができます。また、パーソナライズしたアプリ内メッセージを使ってユーザーの成功に直接影響する機能をアピールすることで、メールやプロダクト外のチャネルによるコミュニケーションを使う場合よりも、ユーザーの行動につながる可能性が高くなります。