Peloton、Amazonも採用する、プロダクト主導型組織における3つの柱とは

Tom Relihan著 |

8 min

 

Peloton、Amazonも採用する、プロダクト主導型組織における3つの柱とは

エクササイズバイクにまたがり、ウォーターボトルをホルダーに入れ、これから行うハードなサイクリングレッスンの準備をします。しかし、そこは近所のジムではありません。Pelotonバイクが置かれた、あなたのリビングです。レッスンの後シャワーを浴び、街に出て最寄りのAmazon Goに行き、プロテインスムージーの材料を購入します。ベリー類、ヨーグルト、プロテインパウダーの会計を済ませます。追加でココナッツウォーターも買って、再び外にでます。

どちらの体験においても、人と接することはありません。その日接したのは、PelotonとAmazonそれぞれのプロダクトだけです。しかも、体験は完全にシームレスです。 

この2つの体験の共通点は何でしょうか?両社とも、自社プロダクトを顧客体験の中心に据えるという戦略に基づいています。実際、プロダクトは両社が行うすべての活動の中心にあります。両社ともにプロダクト主導型の会社です。

Pelotonにとってプロダクト主導とは、ユーザーが汗を流しているときにリアルタイムでフィードバックと楽しさを提供することです。たとえば、一人ひとりに向けて声をかけたり、初めてのセッションの際にインストラクターが歓迎してくれたりします。Amazon Goにとってのプロダクト主導とは、レジまでの長い行列をはじめとする不要な摩擦を取り除くことで、その結果、効率が高まり利用客の幸せにつながることです。

プロダクトが顧客と企業との間のパイプ役となってユーザー体験を改善し、成長を促進できるということに気づいたのは、この2社だけではありません。Facebook、Netflix、Apple、Teslaといった、テクノロジー、ソーシャルメディア、エンターテインメント、さらには自動車業界の大企業でも同様の戦略を採用しており、成功していることからもそのことが分かります。

これは、Pendoで採用しているアプローチと同じものであり、次の3つの柱に基づいています。3つの柱とは、「プロダクトに関する意思決定にデータを活用すること」「プロダクトを顧客体験の中心に据えること」そして「プロダクトの提供方法を調整すること」です。 

最新のウェビナーでは、Pendoの最高プロダクト責任者(CPO)であるBrian Croftsとプロダクトデザイン部門VPのCameron Mollが、プロダクト主導型の組織におけるこの3つの柱と、それらを実際に活用する方法について議論しています。ここでは、ウェビナーで議論された重要なポイントについてご紹介します。

1. プロダクトに関する意思決定にデータを活用する

プロダクト主導型になるには、まず第一に、本当に良いプロダクトを開発していることが重要です。プロダクトに関して適切な意思決定と改善を行うためには、プロダクトに関して持ち合わせているデータを正しい方法で最大限に活用する必要があります。「測定できないものは改善できない」のです。

最近では必要なデータを取得するのはそれほど難しいことではなくなりました。「データを収集して抽出するためのツールは山ほどある」とCroftsは言います。しかし、その効果を最大限発揮させるには、測定している理由を理解する必要があります。そのためには、まず自分の目標を思い浮かべるところから始めます。おそらく、顧客のコンバージョン率の増加やリテンションの増加だと思います。または、金銭的な目標や、プロダクト関連の目標かもしれません。

その際、注目すべきなのは定量的なデータだけではありません。重要なのは定量的なデータを顧客からのフィードバックやアンケートから得られる定性的データと組み合わせることです。たとえばNPSのデータがあれば、自分のプロダクトを競合他社のプロダクトと比較するのには役立ちます。しかし、本当に役に立つものは、批判者がスコアと一緒に残しているコメントの中にあります。Pendoでは、これらのフィードバックをSlackチャンネルに転送して、チームメンバーがすばやく議論や対処をできるようにしています。

「私たちのプロダクトを信頼して仕事に使用してくださっているお客様からのフィードバックはとても重要です。私たちはそれを真摯に受け止めています。この2種のデータを組み合わせることが、より良いプロダクトを開発する上で大きなメリットになっています」とCroftsは話します。

また、プロダクト開発において反復的に実験を行うことは、データを取得する優れた方法であるとともに、現在の方向性は正しいか、どこにリソースを割り当てることが正解かを検証する良い方法だとも述べています。

2. プロダクトを顧客体験の中心に据える

プロダクト主導型の組織として、プロダクトを常に改善し、業界内で最高のプロダクトを提供すること以上に重要なことはありません。組織の全員がこの目標に集中すべきです。なぜなら前述の通り、プロダクトこそが、顧客と組織をつなぐツールであるからです。最高のプロダクトは最高の顧客体験につながり、ビジネスの成功に直接寄与します。

マーケティングにおいては、プロダクトを使った顧客が良い体験をすれば、口コミですぐに広がります。それこそがプロダクトのコンバージョン率を促す一番の方法であることはもはや周知の事実です。プロダクトの販売においては、洗練されたプロダクト主導のフリーミアム体験が、担当者との会話のきっかけになり、迅速な商談成立につながります。カスタマーサクセスとサポートにおいては、効果的なプロダクト内でのオンボーディングにより、タスクの完了が容易になり、お客様との関係が良好になり、細かいタスクではなくより大きな課題に取り組む時間ができます。そして、プロダクトが高い評価を受けることで、組織に優秀な人材が引き寄せられ、それによりプロダクトがさらに良いものになります。

このように、プロダクトが各部門や組織の成功につながっているとしたら、それは「プロダクト主導型」がうまくいっているということです。

プロダクトを顧客体験の中心に据える最善の方法は、まずサポートやオンボーディングなど、従来「人間主導」だった箇所を検証し、それらをプロダクト主導に切り替えて自動化することだとMoll氏は言います。また、マーケティングウェブサイトからアプリに至るまで、組織としてデザインを統一する必要もあります。Pendoでは、ブランドデザインチームとプロダクトデザインチームを共にプロダクト部門に置くことで、これを実現しています。つまり、プロダクトの認知度向上から販売プロセス、さらにはプロダクト自体まで、デザインはシームレスで一貫しているということです。

「すべては統一された1つの体験であり、全体がプロダクト主導である」と彼は言います。

次にユーザーを成功に導くプロダクト体験を提供できる機会は、ユーザーが初めてアプリにログインするときです。ここでは、効率的、効果的、かつ洗練されたオンボーディングプロセスが不可欠です。そのプロセスでユーザーを気づきや納得感のある「アハ体験」に導きます。これにより、プロダクトの付加価値をユーザーに早い段階で体験してもらい、プロダクトの定着化につなげます。

「ユーザーがオンボーディングの途中でそのメリットに気づくと、プロダクトを使い続け、さらには他の人に勧める可能性も高い」とCroftsは言います。

アプリ内で直接サポートを提供することは、ユーザーの摩擦を未然に最小化できるだけでなく、プロダクト内でつまずいたユーザーが担当者に連絡する前に自力で問題解決を図れるため、大変効果的な手法です。サポート部門がこれまで培った知見を活用して、ユーザーが最も行き詰まる場所や頻出する疑問を特定し、それらに先手を打って対処できます。現在、Pendo Freeで提供しているように、プロダクトを無料で提供することは、見込み客に対してプロダクトをアピールするための良い方法でもあります。無料版を体験することで、営業担当者と話すときには、ユーザーはすでにその価値を理解しているからです。「これこそが真のプロダクトレッドグロース(プロダクト主導の成長)です」とCrofts氏は説明します。

3. プロダクトの提供方法を管理する

これまでは、プロダクトのビジョンや方向性が決定されると、公には共有されることなくプロダクトが開発され、完成されたものがいきなり市場に投入されるというのが主流でした。そんな時代は終わったとCroftsとMollは言います。

Pendoでは、複数の段階で継続的なイテレーションとフィードバック収集を行えるベータテストプロセスを実施しています。機能やプロダクトをすべてのお客様にリリースする前に、ベータ版をテストしてくれるお客様と協力して、可能な限り事前にバグや問題点を解決するプロセスを採用しています。「イノベーションはコミュニティで行うものであり、それを可能にするツールが揃う時代になりました。これもまた、プロダクトを活用してより良い成果を得る1つの方法です」とCroftsは言います。

「このベータモデルは、たとえユーザーが何人いたとしても活用できる、信頼性の高い手法です」と、Mollは話します。FacebookのEventsプラットフォームで働いていた時にもMollはこの手法を活用していました。

さらに、プロダクトオペレーション部門がない組織は立ち上げるべきだ、とCroft氏は話します。プロダクトオペレーションチームは、プロダクト、カスタマーサクセス、エンジニアリングなどの各部門をつなぐ「結合組織」です。プロダクトのリリースにおいて各部門が連携できているか、またプロダクトについての情報がスムーズに伝達されているかを確認し、調整する大事な役割を担います。「各プロセスを社内で拡大する上で非常に役に立っています」と彼は話します。

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Brian CroftsとCameron Mollのウェビナーはこちらからご覧ください。