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プロダクトアナリティクスをデジタルトランスフォーメーション(DX)戦略の中心に据えるべき理由

2023年9月11日公開
顧客や従業員が実際にどのようにプロダクトに関わっているかを正確に把握できなければ、デジタルトランスフォーメーションは方向性が定まらない漠然としたものになってしまいます。

プロダクトアナリティクスは、プロダクトとビジネスに関して、チームがよりスマートな(最終的にはより収益性の高い)意思決定を行うための基盤となる顧客インサイトを提供します。特に、企業のデジタル体験を見直す場合、アナリティクスは、プロダクトマネージャー(PM)やオーナーが組織の包括的なDX戦略の一環として自らの選択や投資について検証し、取り組みの効果を立証するのに役立ちます。

測定を積み重ねることにより、顧客についての理解が深まり、顧客のニーズをより適切に満たすプロダクトやデジタル体験を開発できるようになります。また、データ主導型の組織になることで、より多くの情報に基づく選択ができるようになり、結果的に組織の時間とコストを節約できます。 

プロダクトアナリティクスをDXプロジェクトの中心に据えるべき4つの理由を詳しく見てみましょう。

 

1. 最初から正しい判断を下すため

DXプロジェクトには特に多額の費用がかかることが多いため(DXへの世界的な支出は2026年までに3兆4,000億ドルを超えると予測されています!)、ビジネスの成否がかかっている場合は、データ主導型のアプローチを取ることが重要です。

プロダクトアナリティクスにより、顧客のプロダクトでの使用状況や体験を正確に把握するために必要なデータが得られるため、迅速な修正を実施したり、今後のリリースに必要なインサイトを獲得したりできます。たとえば、Pendoのようなプロダクトアナリティクスソリューションを活用すれば、一般的なワークフローの中で多くのユーザーが行き詰まっている場所を正確に特定できます。これにより、ユーザーインターフェース(UI)や実施支援に問題がある可能性に気づくことができます。次に、ここでの発見事項とユーザーから受け取った定性的なフィードバックとを比較することで、問題をさらに検証して修正を加えることができます。たとえば、アプリ内ガイドを使用してワークフローを正しく完了する方法をユーザーに示したり、特定のフィーチャーに特化したオンボーディングを提供したり、リソースセンターでいつでも利用可能なトレーニングモジュールを提供したりすることで、サポートチケット件数の抑制や削減に役立てることができます。

AusDocのプロダクト責任者であるEvian Gutman氏は、このことを次のように的確に表現しています。「直感に頼ることには限界があります。『これまでそうしてきたから』という理由で、優位な立場にある人々の意見が意思決定を左右することがないようにすべきでしょう。本当に次の段階へと進化したいのであれば、アジャイルフレームワークで活用する具体的で詳細なインサイトを得るために、Pendoのようなツールが必要です。ツールがあれば、情報に基づいて迅速かつ適応的に行動できるようになります。」

 

2. 顧客を戦略の中心に据えるため 

プロダクトデータを活用し、プロダクト内でのユーザージャーニーを理解することは、顧客中心の戦略を練るための重要な第一歩です。これは、プロダクト内の特定のボタンのクリック数のみを追っていれば良いという意味ではありません。ユーザーがそのボタンをクリックすることで達成したい結果を特定し、それに応じてユーザー体験を最適化することが求められます。 

プロダクトデータを基盤に据えることで、プロダクトチームは、自らが注力しているフィーチャーが実際にユーザーに価値を提供しているのか測定・検証できます。また、定量的なプロダクトアナリティクスと定性的な顧客フィードバックの両方を活用して、ユーザー体験の全体像を把握し、顧客が本当に解決したいと望む課題を解消するためのフィーチャーを最適化または開発できます。

顧客のデジタル体験を中心としてプロダクト体験を構築することで、顧客が定着する可能性を高められるだけでなく、市場での信頼感を築き、ブランドの評判を強化できます。さらに、口コミの連鎖により将来の顧客を惹きつけ、売上維持率を向上させ、企業の拡大と成長を促進することもできます。

3. コスト削減とリスク軽減のため

アナリティクスによって促進されるプロダクトディスカバリーは、堅実なDX計画における不可欠な要素です。プロダクトアナリティクスは、プロダクトのパフォーマンス、顧客の健全性、デジタル体験に変更を加えた場合のROIを測定するのに役立ちます。ポートフォリオ内のどのプロダクトが有意義なエンゲージメントを促進しているのか、どのフィーチャーが最も多く使用されているのか、どのプロダクトエリアがコンバージョン率を引き上げているのかをクリアに可視化することで、リソースの割り当てを最適化し、必要な部分だけにコストを費やすことができます。

Pendoの検証機能のようなツールを使用すれば、プロダクトの開発を始める前に新しいアイデアを大規模にテストし、フィードバックを収集して、発見プロセスで一歩先を行くことができます。これにより、プロダクト開発プロセスの早い段階で潜在的なリスクや問題を特定し、軽減することができます。また、定量的なアナリティクスデータ(およびアプリ内ガイド)と組み合わせることで、包括的なDXプロジェクトの成功や加速化に直結する問題に積極的に対処できます。

 

4. 継続的なイノベーションと改善を促進するため

この先も継続して勝ち抜いていけるのは、DXに優先的に取り組んでいる企業です。Harvard Business Reviewの調査によると、2018年から2022年にかけて、金融業界だけでも「デジタルリーダーは年平均8.1%の株主総利回りを達成したのに対し、出遅れた企業は4.9%にとどまった」という結果が示されました。また、同じ期間に「デジタルリーダーはアクティブな顧客基盤を0.5%成長させた一方、デジタル化に乗り遅れた企業は顧客基盤の成長率がゼロであった」という結果も示されています。

プロダクト施策をビジネスにとって有意義な指標と紐づけると、その施策の効果を立証できるだけでなく、多くの場合、フィーチャーやデジタル体験の継続的な改善を促す新しいアイデアの中核として機能します。また、すべてのプロダクトデータ(定量的および定性的)を定期的に評価し、その結果をビジネスインテリジェンスレポートの主要な要素にすることで、顧客により良いサービスを提供し、ビジネスを前進させるための新しいアイデアを発見できるようになります。たとえば、Pendo FeedbackとPendoアナリティクスを併用することにより、Filevineのチームは新しいプロダクトのアイデアをわずか1年で2,000件以上発見しました。


 

ビジネスの成長およびDXを推進するためのプロダクト活用方法については、Product-led Hub(英語)にあるすべてのリソースをご覧ください。

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