Elsevierがユーザー向けにプロダクト内ヘルプセンターを構築した方法
最もインパクトのあるイノベーションは、データとインサイトの基盤の上に成り立っています。これは、ビジネスの世界と同様に、学術界や医学界にも当てはまります。140年の歴史を持つ出版・情報分析会社であるElsevierは、研究者や医療関係者に科学・技術・医学のコンテンツを提供し、より良い意思決定とその分野の発展を目指すというミッションを掲げています。
Elsevierは、事業の強化策を検討した結果、ユーザーがいる場所、つまりプロダクト内で対応する包括的なサポートソリューションの構築に注力する必要があると考えました。ユーザーが必要なときにいつでもプロダクトを迷わず操作できるようにし、作成したサポートのソリューションを、Pendoを使用している90以上のプロダクトに簡単に拡張できるようにしたいと考えていました。
ElsevierのシニアデジタルCX&ケイパビリティマネージャーであるTommy Rahardjo氏は、「私たちはPendoを使用して、複数のカスタマージャーニーを探索し、ユーザーがどこで困っているのかを本当の意味で理解できました」と述べています。
チームは、ウェブベースのサポートセンターに年間約900万件のアクセスがあり、そのうちの200万人が問題解決のためにさらにコンタクトセンターに連絡してサポートを求めていることを知っていました。この数字には、最適でないユーザー体験が影響していると考え、サポートモデルを根本から見直し、その過程でPendoを活用することで、より良いユーザー体験を構築することを優先しました。
ユーザーがいる場所で対応するためのサポートシステムの構築
Elsevierは、既存のモデルでは、必要なサポートを受けるために顧客がプロダクトを離れる必要があるため、完了しようとしている業務に支障をきたしていることを発見しました。「当社では、お客様がサポートコンテンツをすばやく利用できるようにする必要がありましたが、そのためには、そのコンテンツがプロダクト自体の中になければなりません」とRahardjo氏は言います。
Elsevierは、Pendoのリソースセンター機能を利用して、プロダクト内ヘルプと呼ばれるカスタムのアプリ内サポートソリューションを作成しました。このソリューションでは、セルフサービスのオンボーディング体験など、ユーザー自身が利用するサポートコンテンツをコントロールすることができます。プロダクト内ヘルプを構築するにあたり、Elsevierのチームは3つの戦略的支柱を掲げました。
- 柔軟性:Elsevierは、特定のコンテンツをユーザーに押し付けることも、すぐにコンテンツを利用することも求めませんでした。むしろ、ユーザー自身が、いつ、どんな情報が自分にとって重要なのかを選択できるようにしたかったとRahardjo氏は言います。
- シンプルさ:プロダクト内ヘルプは、お客様がプロダクトに関するさまざまな技術をすべて覚えなくても、プロダクトを効果的に使用できるようにするために設計されています。「ユーザーはプロダクトにアクセスした後、忘れてしまうことがいくつかあるかもしれませんが、当社のコンテキストヘルプやガイドにアクセスして、その機能に再び慣れることができます」とRahardjo氏は述べています。
- 一貫性:Elsevierは、お客様がどのタッチポイントからサポートを受けに来たとしても、シームレスな体験を実現したいと考えていました。プロダクト内ヘルプを複数のプロダクトに展開することで、アプリ内の一貫性を持たせる必要がありました。Rahardjo氏は、「私たちは、スタイリングや情報発信の方法が、ユーザーにとって馴染みのあるものであること、また、それが表示されるドメインに適合するようにしました」と述べています。
より良いユーザー体験とはどのようなものか
Pendoを使用してサポートをアプリ内に導入した後、Elsevierではユーザー体験に驚くべき影響がありました。プロダクト内ヘルプは、顧客のプロダクトへの関わり方を根本的に変え、より良いものにしました。リリース以来、Elsevierの外部サポートセンターへの問い合わせは27%減少しました。同時に、セルフサービスのオンボーディングガイドの追加により、主要フィーチャーの初回使用までの平均時間が67%短縮されました。Elsevierのプロダクトをより上手く使いこなすことができるようになったことで、お客様の満足度も向上しています。ネットプロモータースコア(NPS)は、プロダクト内ヘルプのリリース以来、2ポイント増加しました。
Elsevierチームは、このような大きな効果を確認した後、Pendoが搭載されている90以上のプロダクトすべてにプロダクト内ヘルプを拡大する作業を実施しています。「Elsevierユーザーが当社のプロダクトをより理解するのに役立つ体験を提供するのに、Pendoは非常に役立ちました」とRahardjo氏は言います。その結果ユーザーは、それぞれの分野でイノベーションを推進するために、プロダクトをより上手く使いこなすことができるようになりました。