ネットプロモータースコア(NPS)は、何十年も前から存在し、ユーザーフィードバックを収集して評価するための戦略として今も業界をリードしています。NPSから得られる定量的、定性的なインサイトの組み合わせは、プロダクトロードマップの計画において顧客の声を活用しようとするプロダクトチームにとって大変貴重なものです。
ただし、NPSデータには収集すればするほど、理解が難しくなるという問題があります。
この問題を解決するために、Pendoは最近、新しい機能であるNPSインサイトをオープンベータ版としてリリースしました。NPSインサイトは、機械学習(ML)を使用して、テキスト(文字列)によるNPS回答をくまなく調べ、データから共通のテーマを抽出します。PendoのMLツールであるSimonがNPS回答に共通するスレッドを見つけるため、プロダクトチームやサクセスチームはそのインサイトに基づいた実際の行動に貴重な時間を費やすことができるのです。
Simonが共通のテーマを効果的に見つけるためには、1つのアクティブなNPS調査において最低800件のテキストによる回答が必要です。気の遠くなるような数字に思えるかもしれませんが、顧客のエンゲージメントを高め、NPSインサイトの対象となるための回答数を達成するために今すぐ実行できる簡単な戦術がいくつかあります。
ここでは、テキストによるNPS回答をより多く生み出すための6つのベストプラクティスを紹介します。
1. NPS調査をカスタマイズする
NPS調査の構成要素はすべて同じですが、だからといって、ちょっとした工夫ができないわけではありません。たとえば、ユーザーが0~10までの数字を選択した後の追加の質問では、文章による回答を促す文言を盛り込むことができます。この文言は、ユーザーのスコアに応じてカスタマイズすることも可能です。ほんの少し言い回しを変えるだけで、ユーザーが数秒多く時間をかけて貴重な定性データを提供してくれるかもしれません。PendoでのNPS調査のカスタマイズについては、こちらをご覧ください。
2. 文字列・文章による回答を奨励する
インセンティブは、顧客の行動を促進する効果的なメカニズムであり、特に、顧客に何か役立つことをしてもらう場合(フィードバックの提供など)には、有効な手段です。毎月のギフトカード抽選などのインセンティブプログラムを設定し、ユーザーのNPS調査への回答を促しましょう。抽選は文章で回答した人のみを対象とすることを明示してください。
3. NPS調査を他のチャネルで宣伝する
私たちはアプリ内でのNPS収集がとても好きですが(効果的だからです)、それが唯一のチャネルであるべきだというわけではありません。ガイドのパーマリンクを使えば、最も効果的なマーケティングやサポートチャネルでNPS調査を宣伝し、顧客をプロダクトに呼び戻し、迅速に回答を送信してもらうことができます。定期的に顧客向けニュースレターを配信していたり、顧客向けイベントを開催していたりしませんか?活発なユーザーコミュニティをお持ちではありませんか?効果的なマーケティングチャネルを特定し、NPSを意図的に投入することで、より多くの回答を促しましょう。
4. 最初のリクエストを無視した人にフォローアップを行う
忙しいユーザーのワークフローを中断したくないと考えるのは当然です。しかし、あなたが以前NPSについて連絡したタイミングが悪かった可能性もあります。彼らは実際に貴重なフィードバックを持っているので、ぜひ回答してもらいたいところです。プロダクト内の主要なタスクを完了するまでは表示されない、自動化された連絡方法を組み込むことはできるでしょうか?ユーザーが作業に没頭する可能性が低いページのみに、NPS調査を表示することはできないでしょうか?寡黙なユーザーをいつどこでフォローアップしてフィードバックを得るかについて、工夫を凝らしましょう。
5. NPSの収集を既存の顧客タッチポイントに組み込む
プロダクトチームやマーケティングチームは、NPSの回答を得るための手段をすべて使い果たしたと感じているかもしれませんが、組織内には独自のタッチポイントを持つ他のチームも存在します。
たとえば、カスタマーサポートは一日中お客様に電話やメールを送っていると思いますが、彼らがすでに送っているメールの文末に簡単なフッターを追加できないでしょうか?もし、あなたの組織が顧客向けの四半期ビジネスレビュー(QBR)を行なっているのであれば、ミーティングの事前依頼、またはフォローアップとしてNPSの回答を求めるプログラムを作成できます。これらはいくつかの簡単な例ですが、NPSを組織内の他のどこで表示できるかを調べてみてください。
6. NPSの回答への対応を意図的に行う
NPSの回答を増やす即効性のある方法ではありませんが、NPS調査に回答してくれた人に返信することで、そのようなフィードバックをすることの価値を回答者に示すことができます。顧客から問題を引き起こしている具体的なプロダクトの一部分が指摘された場合は、時間をかけて対応し、サポートを提供してください。ユーザーが機能リクエストを送ってきた場合は、ご意見をいただいたことに感謝し、プロダクトチームがそれを確認したことを伝えます。NPSの回答に時間をかけてフィードバックを残してくれたユーザーに返信することで、そのポジティブな行動をさらに促し、将来も同じようにフィードバックしてくれる可能性を高めることができます。
NPS戦略に投資する時間を確保することは、ユーザーの口から直接、貴重なデータを山ほど集めることができることを意味します。そして、機械学習機能により、その膨大なデータを整理し、注目すべきテーマとインサイトを引き出すことができます。このようにして、インサイトに基づいた行動と、顧客が実際に望むプロダクトの改良に集中することができます。
NPSインサイトは現在、800以上のテキストによるNPS回答を持つPendoのお客様を対象にオープンベータ版を提供しています。なお、申し訳ありませんが、現状この機能は英語のみの対象となっております。参加資格の基準を満たした方には、アプリ内で直接ご連絡を差し上げます。
NPSの回答数がまだ800件に達していない場合、これらのヒントを参考にして、より多くのテキストのNPS回答を獲得してください。