このデジタル中心の時代、誰もが「企業はデータをどう扱うべきか?」というジレンマに直面しています。
データ管理は、あらゆる規模や成熟段階の企業にとって共通の課題ですが、エンタープライズ規模になると複雑さがより増します。堅牢な技術スタック、複雑な組織構造、膨大な数の顧客、取引先、従業員を抱える企業組織は、データであふれかえっており、実行可能性の課題とセキュリティリスクの両方を呈しています。
企業はビジネス全体で平均して175種類以上のSaaSアプリケーションを使用しています。無計画に増加したSaaSを簡単に統合して整理する方法がないため、組織は膨大な「ユーザーデータの海」で泳ぐことになります。適切なツールやガバナンスがなければ、チームは情報が適切な関係者によって共有、使用されることを保証する方法がなく、組織全体で無駄な作業の重複が発生し、恐ろしい「分析の麻痺」を引き起こすことさえあります。
プロダクト主導のアプローチにより、企業組織はすべてのデータを自由に管理し、プロダクトとユーザーの健全性を確保するための信頼できる唯一の情報源を作成できます。定性的および定量的インプットの両方を活用する一貫した戦略で、プロダクトリーダーとITリーダーは、より良い意思決定を行い、データの雑踏から簡単にテーマを抽出できます。また、社内チームを統合することで、データに圧倒されることなくむしろ活用できるようになり、自分の役割が組織の成功にどのように貢献しているかを理解し、権限が与えらたと感じるようになります。
社内チームを調整し、強化する
プロダクトリーダーとITリーダーは、プロダクトアナリティクスをオペレーションの中心に置くことで、使用状況とエンゲージメントに関する共通の理解に基づいて組織全体の連携を支援できます。Pendoのようなプロダクト体験やデジタルアダプションプラットフォームを使用すると、技術系以外のチームがこの情報に簡単にアクセスして利用できるようになり、プロダクトやIT部門以外の人々がデータを掘り下げて理想的なユーザー行動を導く方法を見つけることができます。エンタープライズ規模では、すべてのプロダクトデータとポートフォリオデータを1か所にまとめることで、プロダクトライン全体でレポートの一貫性を確保することができ、最終的に時間とリソースが節約され、開発の効率が向上します。
優れたプロダクト主導の組織はさらに一歩先まで踏み込み、プロダクトオペレーション機能を使用して、ビジネスにおけるプロダクトデータの利用方法の最適化に取り組んでいます。特にエンタープライズ企業では、さまざまなプロダクトラインのプロダクトマネージャー(PM)が、自分の担当以外のプロダクトチームと交流することは、ほとんどありません。プロダクトオペレーションチームは、複数のソースや多くのチームから積極的にプロダクトデータを収集、整理、分析し、 それをまとめて、必要な人がすぐに利用できるようにする重要な役割を担っています。
データを組織全体ですべての意思決定を行うための共有基盤とすることで、企業はビジネス全体のチームを結びつける共通言語を生み出し、プロダクトチームやITチームだけでなく、各グループが自信を持って顧客や従業員の経験について語り、影響を与えられるようになるのです。
定性的データと定量的データを使用する
できる限り優れたプロダクトとデジタルワークプレイスを構築するには、定量分析データを収集するだけでは不十分です。定性的なユーザーセンチメントを活用して、顧客や従業員がプロダクトやブランド体験についてどのように感じているかを理解する必要もあります。最も戦略的な企業では、この取り組みをお客様の声(VOC)プログラムに統合し、ユーザーの意見を求めるための主要なチャネルとしてプロダクトを使用しています。定性的なフィードバック収集をアプリ内に取り入れることで、回答率が高まるだけでなく、プロダクト体験が前面に押し出されるため、フィードバックの品質が向上します。
情報がプラットフォームやチーム全体に分散していることが多いエンタープライズ規模において、プロダクト、エンジニアリング、ITチームは、客観的な使用状況分析とともに定性データを分析することが、運用を効率化し革新を強化する上で非常に重要になります。これにより、ユーザーの行動傾向の背後にある完全なコンテキストを提供し、重点領域とリソースの優先順位付けができるようになります。
ロードマップやリリースプランにあるものが、実際に顧客や従業員にとって有用であるか、また、顧客に求められているかを検証するためにも、この分析とフィードバックの組み合わせは非常に重要です。こういったインサイトがなければ、社内チームは、最終的に組織に価値をもたらさない間違ったイニシアチブを追求し、貴重な時間とリソースを浪費してしまう危険性があります。
プロダクト主導型戦略を採用することは、あらゆる規模の企業にとって有益ですが、こうした戦術をエンタープライス規模で活用した場合、その効果は10倍にもなります。ホワイトペーパー「プロダクトで解決できるとは知らなかった企業の4つの課題」では、摩擦のある4つの分野を深く掘り下げ、その克服方法についてご紹介しています。
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