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VOC(お客様の声)分析

顧客フィードバックを収集し、整理し、組織全体で共有するためのプロセス。

最終更新日:2024年2月5日

お客様の声(VoC)とは

お客様の声(VOC)とは、企業が顧客フィードバックを収集し、対応するために使用するプロセスまたはプログラムのことです。VOCデータは、プロダクトのさらなる強化、改善のためにお客様のニーズや期待を理解することを目的として、顧客体験にフォーカスしています。VOCは以下の点で、企業を支援します。

  • お客様のフィードバックの背後にある理由を理解する
  • お客様のニーズや要望、課題を把握する
  • フィードバックを統合し、ビジネスのさまざまな分野に反映できるような形で共有する

お客様の声(VoC)が重要である理由

お客様からのフィードバックを収集することは、プロダクトのどの部分のパフォーマンスが良好か、成長を妨げているギャップがどこにあるのかを理解するための最も確実な方法です。しかし多くの場合、お客様からのフィードバックは、蓄積されても統合されることなく、ブラックホールに消えてしまいます。組織内の誰もが、フィードバックの収集は非常に重要であるという提案に既に納得しているかもしれませんが、さまざまな投票調査、アンケート、レビュー、インタビューから回答を集めるという最初のスリルを味わった後に、そのインサイトを行動に移すという作業は平坦なものではありません。そこで登場するのがVoCプログラムです。

「お客様のフィードバックから報酬を得る」ための真の方法は、「カスタマージャーニーの経験を測定するための効果的かつ完全なシステム」に投資することだと、マッキンゼーのアナリストは述べています。VoCは、お客様の声を運用するための方法です。プロダクト、営業電話、もしくはサポートチャネルのいずれで収集されたフィードバックであっても、VoCは社内のすべての利害関係者にフィードバックを配布するために使用するシステムです。


お客様の声(VoC)プログラムの利点

VOCプログラムは、ユーザーの行動データの内容の先にある理由を理解するのに役立ちます。プロダクトやサービスを毎日使用しているユーザーからのフィードバックを直接取得することで、そのユーザーの体験に関する貴重なインサイトが得られますが、それを自社プロダクトの専門家として客観的に評価することは困難です。 

VOCは、優れたプロダクト体験顧客体験の構築に役立ちます。多くの場合、顧客フィードバックは、新機能や機能アップデートのきっかけや、ロードマップの貴重な情報源となります。また、各部門の時間とリソースの節約にも貢献します。お客様が求めているものを把握できるため、次に何を開発するか、お客様のニーズに最適な機能は何かを推測や勘で決めることがなくなります。

また、VoCプロセスを導入することは、プロダクトロードマップを構築する際に、お客様の考えを尊重し、ニーズを考慮していることを示すものでもあります。この双方向のエンゲージメントが、最終的にお客様のロイヤリティを高め、ブランドに対する認知を向上させます。

最後に、VOCは組織の変革を推進するための強力なツールです。SaaS(サービスとしてのソフトウェア)企業が飽和状態の世界では、お客様がベンダーを簡単に切り替えられるため、これまで以上に体験が重要になります。VOCプログラムで、顧客フィードバックを簡単にソーシャル化し、組織全体が顧客体験の形成における自分の役割を理解するように促すことができます。よく練られたVOCプログラムでは、説明責任の仕組みを作り、明確なフォロースルーのプロセスを確立することで、お客様のセンチメントを運用化できるため、フィードバックのブラックホールに何かが埋もれることがありません。


お客様の声(VoC)の指標の例

強力なVoCプログラムには、アクティブ(能動的)フィードバックとパッシブ(受動的)フィードバックの両方を含む、多くの要素があります。VoCのコンセプトが組織にとって初めての場合は、小規模から開始しても問題ありません。ここでは、導入に役立つVoCの指標の例をいくつか紹介します。

  • ネットプロモータースコア(NPS):NPSは、顧客のセンチメントを測定する最も広く利用されている指標の1つで、ユーザーが友人や同僚にブランドを推薦する可能性を0から10の間で評価してもらうものです。これは、経時的に追跡するのに最適な指標であり、個々の顧客フィードバックを掘り下げる際の会話の糸口としても有効です。
  • 顧客満足度スコア(CSAT):CSATは、カスタマーサービスやプロダクトの品質を、0から100までのパーセンテージで評価するものです。NPSと同様、CSATも一定期間ごとに追跡できる優れた定量指標です。
  • カスタマーエフォートスコア(CES):CESは、タスクを完了するためにお客様が行う必要のある労力を測定するものです。CESは、他の顧客フィードバックデータと照らし合わせて、顧客体験の全体像を把握するのに適した指標です。 
  • 投票調査とアンケート:投票調査とアンケートは、大規模な顧客層全体のセンチメントを測定するための優れた方法です。アプリ内、メール、SNSなど、さまざまな方法で導入できます。アンケートが押し付けがましく感じられたり、プロダクト体験の妨げになったりしないように、アンケートを実施するタイミングや方法を考えることが重要です。
  • ユーザーインタビュー:お客様と直接対話することで、信頼関係を構築し、貴重な言葉を収集することができます。ユーザーインタビューを大規模に実施することは困難ですが(特に小規模なVOCチームの場合)、体験の定性的な深いインサイトを最も効果的に収集できる場合があります。

VOCデータを取得する他の方法については、VOCプログラムを成功させるための構成要素に関する電子書籍をご覧ください。 


お客様の声(VoC)プログラムの構築方法

  1. ビジョンを設定する: VoCプログラムとは、組織全体を徹底的にお客様にフォーカスさせることです。最初のステップは、あらゆる場面でフィードバックを歓迎することです。フィードバックの収集をすべてのチームの任務の一部とし、お客様がプロダクトやそれ以上のものに対してフィードバックを提供できるように非常にシンプルにします。
  2. 優先順位をつける:すべてのフィードバックが同じように作成されるわけではないのと同時に、同じように扱われるべきでもありません。企業がフィードバックを歓迎しているからといって、カスタマーサクセスマネージャーがあらゆる不満や提案に対応しなければならないわけではありません。あるフィードバックがどの程度一般的で、お客様にとってどの程度重要で、チームがどの程度それに基づいて行動する準備ができているかを組織が理解するのに役立つツールを選択します。
  3. 反応する:最後に、成功するVoCの取り組みには、ブランドに情報を提供したお客様を対象としたフィードバックへの反応も含まれています。これは、お客様の声を聞いたことを認識し、組織がお客様の懸念にどのように対処する予定であるかを伝えるものです。

たとえばKajabiは、ユーザーが機能リクエストを送信したり、他のユーザーが送信した機能リクエストに投票したりできる顧客フィードバックポータルを自社プロダクト内に作成しました。何千人ものユーザーがポータルを利用し、このフィードバックは、組織全体の複数のチームが、顧客がプロダクトに何を求めているかをよりよく理解するのに役立ちました。

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