新規ユーザーのオンボーディングエンゲージメントを1,540%増加させ、無料版からのコンバージョンを3倍にした Insightly
Teresa Roche氏は、中小企業向けのシンプルかつパワフルなCRMシステム、Insightlyのカスタマーサクセス担当ディレクターです。「弊社は、顧客関係を構築するためのCRMツールを提供しています」とRoche氏。「(Insightlyは)企業が必要とするSalesforceの中核的な自動化機能すべてを提供するとともに、人と人との関係性構築、さらにはプロジェクトのデリバリーも行います。製造業、コンサルティング、医療、教育など、あらゆる業種に対応するオールインワンCRMです。」
「カスタマーサクセス組織の運営に加え、大口顧客のカスタマーサクセスチームを直接管理し、顧客マーケティングをリードしています。このため、アプリ内メッセージは、作成したもの以外も含めてすべてをCSチームがレビューしています。プロダクトチームと密接に連携し、互いに重複したり、またはお客様にメッセージを送り過ぎたりしないように配慮しています。」
ユーザーのオンボーディングを加速
オンボーディング(新規ユーザーのトレーニング)は、Insightlyのチームにとって重要な取り組みでした。「私たちはまず、シンプルなガイドをいくつか作り、それがユーザーの定着化にどのような影響を与えるかを検証しました」とRoche氏は言います。「2017年初めにリリースしたレポート用のグラフ機能は、あまり活用されていませんでした。ところが、グラフのボタンに1行のツールチップを追加したところ、すぐに利用者が急増しました。この結果から、私たちは自信を持ってプロダクト内オンボーディングを進めることができました。Pendoのもつ柔軟性のおかげで、私たち独自のユーザー体験の構築に大いに役立っています。」
「現在では新規ユーザーがInsightlyにアクセスすると、カスタムガイドデザインを使用して構築された、ウェルカムビデオ、Insightly Basicsビデオ、そして初めに行うべきタスクを含むウェルカムモーダルが表示されます。Insightly Basicsビデオでは、アカウントの設定方法と、さまざまなユースケースでのInsightlyの使用方法をお客様に説明しています。Insightly Basicsビデオは、お客様のプロフィールのドロップダウンからも見ることができるので、ウェルカムモーダルを閉じた後でも簡単にアクセスできます。
Insightly新規ユーザー向けウェルカムモーダル Insightly新規ユーザー向けオンボーディングフロー。最初のモーダルは、Insightlyの基本を学ぶためのウェルカムビデオと追加のビデオガイドにユーザーを誘導します。
「このオンボーディングモーダルができるまでは、プロダクトにアクセスしたときにどこから始めればよいのかを説明する、プロダクト内のガイダンスはありませんでした。モーダルを導入して以降は、プロダクト案内ビデオの視聴数は1,540%、平均視聴時間は40%増加しました。Pendoのおかげで、最小限のコーディングで、まるでアプリにもともと組み込まれていたかのようにプロダクトを案内できるようになりました。」
目的に沿ったプロダクト実験を実施
この柔軟性をもつPendoを使用して、Insightlyはプロダクトの実験をさらに進めることができました。その中の1つが、フリーミアムユーザーに関する実験です。「無料プランは多くのユーザーが利用しています」とRoche氏は言います。「中には、しばらくの間利用しているにも関わらず、有料プランで利用できる追加機能を知らないユーザーもいます。そこで、無料でこれらの機能を試す機会を提供し、無料ユーザーの一部を有料に移行させることができないかテストすることにしました。無料の管理者ユーザー約4,000人を対象にアプリ内ガイドを表示し、試用版の提供をお知らせしました。」
フリーミアムユーザーへの試用版提供を伝えるライトボックスガイド
「結果は、期待をはるかに上回るものでした。2日間で10%のサインアップ率を記録し、431人の新規トライアルのお客様を営業チームに引き継いだあと、試用版の提供を一旦停止しなければならないほどでした。その2日間のコホート内で、無料会員の3倍の割合で、トライアル中のお客様を有料会員にコンバージョンすることができました。この実験から、無料ユーザーには今まで気付かなかった大きな可能性が潜んでいることがわかりました。こうした無料ユーザーからトライアルユーザーへの移行プロセスをより詳細に再現する方法を、現在検討しています。」
Insightlyは、自社プロダクトにガイドを表示する試みを続けています。「ガイドは、開発リソースを投入する前に、お客様に関する仮定を検証して機能の価値を証明するための方法だと考えています」とRoche氏は言います。「たとえば、メインの設定メニューに「サブスクリプションのキャンセル」ボタンはあるのに、簡単にアップグレードできるボタンがないのが気になっていました。エンジニアチームがそのボタンを作るべきだというビジネスケースを証明するために、まずはPendoガイドとしてプッシュすることにしました。設定ページにカスタムバナーとして追加し、クリックスルーをテストします。このバナーは、まるでプロダクトの一部のように見えます。Pendoのメッセージ機能がプロダクト変更の助けになるならば、プロダクトチームにとっては大きなメリットになります。」
Insightlyは、Pendoを使用して開発前に機能の候補をテスト
「できる限り、この方法で機能の候補をテストしたいと思っています。また、ガイドを利用して、機能の候補についてお客様から直接フィードバックをいただくこともあります。たとえば、「インテグレーション」のページでは、お客様がどのようなインテグレーションを希望するかを尋ねるアンケートを実施しています。こうすることで、勘に頼ることなく、顧客価値を高めると分かったものにエンジニアの工数を集中させることができるのです。」
Insightlyは、製造業、コンサルティング、健康・福祉、メディアなど、さまざまな業界の中小企業向けに顧客関係管理ソフトウェアを提供しています。世界中に150万人以上のユーザーを持つInsightlyは、GoogleやOffice 365ユーザー向けのCRMソフトウェアとして世界で最も利用されています。