近頃、AIについて見聞きしない日はないのではないでしょうか?数か月前にChatGPTがリリースされたとき、毎月のように次々登場して話題を呼ぶ新規プロダクトの場合と同様、早速ChatGPTに飛びついて試してみました。しかしそこで、今回のリリースが普段のような新規プロダクトとは違うことに気がつきました。今回は、あちこちで使ってみた挙句忘れ去られるような話ではありません。ChatGPTのリリースは、「テクノロジー業界における決定的瞬間」と定義されるほどの出来事であり、私たちの世界が人工知能によって恒久的に変化することの予兆でした。
AIの話題性 vs 現実
ニュースや出版物は、AIに関する情報を世の中の潮流に乗り提供し続けています。人間には未知のものに対する本能的な恐怖心が備わっているため、AIに関する報道の多くは、このテクノロジーがもたらし得るマイナスの側面に焦点を当てる傾向にあります。なぜでしょうか?それは、次に何が起こるか分からないことを恐れているからです。私たちは、少しでも物事をコントロールした上で計画を立てたいと考えます。これは非常に理にかなっていることです。そして現時点では、多くの人々がAIの持つ力、そしてAIが何(または誰)に取って代わるのかということに対して恐怖を感じています。
プロダクトマネージャーにとっては、常に次に何が起こるのかわからないことが当たり前になっており、革新と創造のために現在利用できるものを最大限活用することを得意とするということはひとつの事実です。現時点で手元にあるものをベースに次の一手に賭けることに慣れているため、これが得意なのです。今回も例外ではありません。確かにAIに関するトップニュースやフィードは混沌としていますが、そこで兆候とノイズとを区別することが重要です。お客様をサポートするプロダクトマネージャー(PM)は、AIを業務におけるパートナー的存在として受け入れており、それはPendoにおいても同じです。
PMを解放し、創造と革新を促進する
以前私がPendoのプロダクトオペレーション責任者として最も重要視していたことのひとつは、NPSおよびFeedbackプロダクトにおける顧客フィードバックの分析でした。機械学習(ML)とAIが私たちのプラットフォームの一部になる前は、入ってくる情報すべてを手作業で分類し、傾向を把握し、マネージャー陣向けに分析結果や推奨事項を書くことに多くの時間を費やしていました。プロダクトにMLを導入すると、手作業に費やしていた時間を、コーチングやプロダクトチームや会社の利益につながるより戦略的なプロジェクトなど、他の重要な業務に充てることができるようになりました。
このように、MLは過去20年間の技術革新に見られる一般的なパターンを踏襲しています。デジタルストリーミングが従来の家庭用エンターテインメントの手段に取って代わり、顧客の選択肢は増えています。クラウドコンピューティングは、プロダクトやサービスを顧客に提供する従来の方法を引き継ぎつつ、場所とコストの制限を解き、人間が迅速な改善業務に集中できるよう支援することで、価値実現までの時間を短縮してきました。また、再生可能エネルギーや持続可能なテクノロジーが、二酸化炭素排出量を削減するための選択肢を提供し、より良いクリーンな世界へ向けて社会が一丸となって前進するのに役立っていることも目のあたりにしてきました。
プロダクトの改善
このような時、プロダクトマネージャーは、大規模な変化の波を「顧客のために創造する機会」として捉える傾向にあります。このようなAIが台頭してきた瞬間にも、トレンドによって直近バイアスが引き起こされたり、プロダクトに関する決定を行う際のPMの判断を曇らせたりすることはありません。PMは次に売れるものを追いかけているわけではありません。プロダクトマネージャーは、顧客のための体験に基づく開発や再発明を試みているのです。
Pendoでは、AIの登場以前には変更が容易に実現できなかった多くのフィードバックについて、お客様が再検討している点に注目しています。私たちは、お客様がプロダクトのセルフサービス体験を改善し、価値創造までの時間を短縮し、センチメントを向上させるための新しい方法を求めて試行錯誤する様子を注視しています。ビジネス環境の変化によって効率性が重要視される今日の世界では、このように改善を繰り返すことが重要になります。
AIに取って代わられることのないPMの2本の柱
AIテクノロジーは日を追うごとに進化し続けるため、実験こそが重要です。イノベーションへの実験的なアプローチにより、うまく機能するポイントを理解し、迅速に実装およびアップグレードできるようになります。ただし、実験を始める際には、「責任ある開発」と「効果的なコミュニケーション」の2点を決して忘れてはなりません。この2点は、AIツールには任せることのできない項目です。
- 責任ある開発:顧客に対して責任を持って開発しているか、会社にとって倫理的な懸念を引き起こしていないか、ビジネス上のリスクを増大させていないかを理解するには、PMとして作業を行う必要があります。GDPR法によってあらゆる業界におけるプライバシーやセキュリティ対策の見直しや再建が後押しされたのと同様に、AIに対しても確認作業が行われることになります。常に警戒を怠らず、部門を超えて適切なチームと連携して、一歩先を進んでいくことが大切です。
- 効果的なコミュニケーション:これは自動生成されるレポートのことではありません。顧客、エンジニア、関係者、部門横断的なチームと真摯に向き合い、コミュニケーションを図ることを意味しています。効果的なコミュニケーションによって、適切な問題に対処できているか、仕事を円滑に進めるために十分な情報を提供できているかを理解することができ、価値を明確化するのに役立ちます。チームの成功には連携と透明性が不可欠ですが、プロダクトマネージャーは組織の中心に位置しているため、この変化の波の中で最も重視すべきことはコミュニケーションです。その立ち位置によるメリットを活用しましょう。
Miro、Canva、Notionのように、私たちが愛用している数々のプロダクトの機能を、AIが拡張している素晴らしい例がすでに存在します。これらの例は、既成概念にとらわれずに考え、Pendoのプロダクトを通してお客様に提供できるものを追求するきっかけを与えてくれました。私たち全員がこの大きな変化の波に共に乗りながら、実験し、学び、責任ある開発を行い、効果的なコミュニケーションを取ることができるよう、ここからインスピレーションを得ていただければ幸いです。
PendoのプラットフォームでのAI活用方法については、こちらを参照してください。