Oktaのエンドツーエンドのアナリティクスとプロダクト定着化のプロセスをPendoが支える仕組み
最近では、あらゆるものにアプリが使われ、平均的な企業で導入されているアプリの数は88個となっています。この数字は、ID管理リーダー企業であるOktaの調査結果によるものです。Oktaは、さまざまな企業があらゆる技術をシームレスかつ安全に利用するためのプラットフォームを提供しています。
Oktaはまた、独自のアプリを開発・維持し、ユーザーがアプリの価値を見いだせるように支援しています。それを実現するためのプロダクト計画のプロセスに、Pendoが活用されています。そのプロセスには、新機能のアイデアの収集から、実際に新機能を使ってもらい、その操作性のフィードバックを把握することまでが含まれます。
アナリティクスとガイドを使って循環システムを作る
Oktaのプロダクトチームが最初にPendoを導入したのは、ユーザーがOktaのプラットフォームをどのように操作しているかを把握し、今後の計画改善に役立てるためでした。
Pendoのアナリティクスがあれば、Oktaのプロダクトチームの誰もが使用状況レポートを作成したり、ファネルを使ってユーザーがどこでワークフローから脱落しているかを調べたり、パスを分析してユーザーがどのようにプラットフォームを移動しているかを正確に把握したりすることができます。さらに、その情報に基づいて、チームはプロダクトの方向性を戦略的に決定できます。
Pendoの導入前は、プラットフォームのユーザー数の日次レポートや月次レポート作成のためにデータチームの開発サイクルを延長する必要がありました。また、使用したデータソースによってレポートの結果が大きく変動していました。Pendoはアプリケーションの90%をカバーし、いつでも閲覧可能な信頼できる単一のソースとして機能することで、そのプロセスを簡素化しました。チームは現在、経営幹部にわずか数分で指標を報告できるようになっています。
Pendoの遡及分析は、Oktaのアプリを再設計するうえで一翼を担っています。Pendoはインストールされた瞬間からデータの収集を開始するので、Oktaチームはすべてのページやフィーチャーへのタグ付け作業を行う必要ありません。そのため事前の作業負荷が軽くなるうえ、チームは将来の分析に必要となるデータの取りこぼしを心配する必要がありません。すべてのデータがそこにあり、オンデマンドで利用できるからです。
シームレスで簡単に利用できるこのデータを使えば、チームはさらに最適な意思決定ができるようになります。
最初の導入以来、OktaはPendoの利用を拡大し、ガイドとプロダクトデータを組み合わせることで、プラットフォーム全体のエンゲージメントとプロダクトの定着化を促進する循環システムを築き上げてきました。
デジタル体験担当ディレクターのTom Witczak氏によると、Pendoのデータはプラットフォームでの行動に基づいた特定のユーザーグループのセグメント設定に使用されています。 そして、それらのユーザーを対象に、新規ユーザーのオンボーディング、新機能のリリース時の告知、ユーザーが恩恵を受けるような既存機能の紹介などを目的としたアプリ内ガイドとメッセージを提供しています。
「OktaではPendoを、機能やサービスの導入状況をエンドツーエンドで測定し、アプリ内ガイドやリターゲティング戦術によってそれらの数値を向上させるためのプラットフォームとして活用しています」と、Witczak氏は言います。
今後、Witczak氏と彼のチームはこの取り組みを拡大し、アプリ内体験をメールやヘルプセンターのコンテンツと連携させる予定です。ユーザーがガイダンスの途中で閲覧を止めてしまった場合は、メールで再度閲覧するよう促すことができます。また、ヘルプセンターにアクセスするためにアプリを離れる必要がある場合は、終了時にプラットフォームに戻るように誘導できます。
「自由に使えるデータに基づいて、チャネル間でユーザーのセグメント化やターゲット化、再ターゲット化ができるため、Oktaの設定に必要な重要な事柄について効果的に指導したり、誘導したりできます」と、Witczak氏は言います。このようにガイドされたアカウントでは、プロダクトの定着率が25%高まりました。
ユーザーセンチメントを反映してUXと開発者体験を向上
また、クロスプラットフォーム化の一環として、プラットフォーム上のさまざまなポイントでNPSアンケートを行い、ユーザーのセンチメントを測定しているとWitczak氏は言います。「ユーザーのセンチメントを理解することで、顧客ベースの動向や、機会がどこにあるかを把握できます。」
Oktaのエンドユーザーエクスペリエンスチームのシニアプロダクトマネージャー、Katie Le氏は、この戦術を用いてOktaのアプリのダッシュボードインターフェースに対するユーザーの満足度を把握しています。このインターフェースを使えば、ユーザーはOktaのプラットフォームを通じて、会社が管理するさまざまなアプリにログインできます。
このアプリのUIを、さらに高速に操作できるように再設計してユーザー体験を改善した際には、アプリ内アンケートで新しいUIに関するNPSを測定しました。Le氏は2つのデータを比較することで、ユーザーにとって何が有効で何が有効でないかを確認できました。
「どちらも同じようにユーザーを満足させることを目標にしていました。人間というのは変化を嫌がるものなので、当初は満足度は低くなるのではと予想していました。でも実際には高くなったのです」と、Le氏は言います。チームはPendoのデータを使うことで、経営陣に対して具体的で客観的な指標を提示し、プロダクトに関する意思決定が適切だったことを証明できるようになったと、Le氏は語ります。
Pendoの導入前は、これらのNPSアンケートをマニュアルで作成・維持する必要があり、そのために何か月もの開発リソースを費やしていました。「ガイドの作成にエンジニアリングの工数を必要としないことが、Pendo導入の最大のポイントです」と、彼女は言います。
Pendoは、新しいUIの定着化とリテンションの促進にも貢献しています。Pendoのリテンションアナリティクスを見たLe氏は、Oktaのダッシュボードから1つ以上のアプリを起動しているユーザーは、そうでないユーザーよりもアプリを使い続けていることに注目しました。そこで、新しいユーザーが最初にUIにアクセスしたときに、利用可能な機能を知らせ、アプリの起動方法やダッシュボードのカスタマイズ方法を教えるために、Pendoのガイドを使用するようになりました。
UXチームは何千人ものユーザーからセンチメントデータを収集していますが、Oktaと統合するアプリの開発者と連携している開発者体験チームでは状況が異なります。このグループのサンプル数ははるかに少ないため、それぞれの開発者から詳細な定性データを収集することが優先されます。
「アプリの不具合に気付いた人が、時間を割いて指摘してくれたら、それが私のロードマップ決定の原動力となります」と、デベロッパーエクスペリエンスチームのシニアプロダクトマネージャー、Albert Chen氏は語ります。
Pendoを使うことで、Chen氏はアプリ内アンケートを開始するきっかけとなるアプリ内での行動を定義できるようになりました。開発者がインテグレーションの構築を完了し、承認のためにそれを送信するタイミングで開始する、などです。この方法だと、体験したばかりで記憶が新しいうちに有益で関連性の高いフィードバックが得られる上、開発者がアンケートをないがしろにしたり見逃したりする可能性が低くなります。「このタイミングだと、みんな熱心に耳を傾けるんです」と、Chen氏は言います。
Chen氏は、Pendoのアプリ内アンケートの使用をさらに増やして、開発プロセスの最初から最後まで、さらに頻繁にフィードバック収集を開始することを計画しています。
Pendo Feedbackを使ったリテンションの促進と計画の改善
Pendoは、Oktaのユーザーフィードバックの収集プロセスの変革にも貢献しています。これはプロダクト計画の改善や、プロダクト定着化の促進、リテンションの向上につながります。
Oktaのカスタマーファーストプログラムチームは、顧客からのフィードバックやインサイトを扱っています。
チームはプロセスを合理化して、フィードバックのインプットとアウトプットのチャネルをそれぞれ1つにし、リクエストの優先順位を明確にしたいと考えていました。Pendo Feedbackは、ユーザーから直接リクエストを収集し、人気度や収益への影響、その他の指標に基づいて優先順位を簡単に付けることができるため、チームがまさに必要としているものでした。Pendo Feedbackは柔軟性が高いため、優先順位が異なるさまざまなチームのプロダクトマネージャーが、それぞれのプロジェクトに最も関連性の高いデータを探し出し、迅速に意思決定や検証を行うことができます。
導入以来、顧客から寄せられた新しいアイデアは440件にものぼり、前四半期比57%増となりました。
Pendo Feedbackは、チームがデータの背景を把握し、ビジネス上の質問に即座に答えるために役立っています。
現在では、Oktaのカスタマーサクセスチームは、顧客と重要な対話を行う前に、Feedbackで顧客に関する情報を確認し、プロダクトチームはデータを掘り下げて、顧客の要望やニーズに合わせたロードマップを作成しています。
また、Pendo Feedbackによってユーザーとの信頼関係を築いた上で、ユーザーのリクエストを受け取って耳を傾け、しっかり対応することで、チームはユーザーとの信頼関係をその後も築き続けることに成功しています。