デジタルアダプションプラットフォーム(デジタルアダプションソリューションまたはDAPとも呼ばれます)は、他のソフトウェアプロダクト、アプリ、ウェブサイトの上に階層化されたソフトウェアで、ユーザーがプロダクトを操作する際に重要なタスクを案内し、コンテキストに沿った情報を提供することで習熟を促進するものです。これらのツールは、新しいユーザーがアプリケーションにすばやく慣れ、習熟するのに役立つだけでなく、新しい機能の定着化を促進するための継続的な教育を提供します。
ユーザーの生産性と成長を促進するために、ソフトウェアをスムーズかつ効率的に使用することがますます重要になる中、デジタルアダプションプラットフォームを使用すれば、企業がチームで使用するアプリケーションを最大限に活用できるようになります。これは、新入社員がすぐに作業を進めることを可能にする効率的なアプリ内オンボーディングを提供したり、問題が発生してITサポートのボトルネックにつながる可能性がある領域を継続して追跡したりすることなどが含まれます。
ここでは、DAPがデジタルアダプションを次のレベルに引き上げる方法をいくつかご紹介します。
しかし、上記以上に大切なのは、適切なデジタルアダプションプラットフォームが提供する堅牢なアナリティクスです。効果的なオンボーディングは重要ですが、継続的な学習と測定によって、より大きな価値がもたらされます。 DAPの効果を最大化するには、DAPが収集したデータを活用することが不可欠です。
このデータ主導のアプローチにより、DAPへの投資は確実にプラスの利益をもたらします。
インテリジェントデジタルアダプションプラットフォームとは、人工知能の力にアナリティクス、アプリ内ガイド、セッションリプレイ、その他のプロダクトのホストを組み合わせ、企業がデジタル変革を長期的に推進できるようにするプラットフォームです。インテリジェントDAPは、質的、量的、視覚的なデータを用いてユーザーが必要とするインサイトの完全なセットを提供し、それに基づいて簡単に行動できるようにすることで、技術投資への利益率を回収し、変更管理の強化、デジタルアダプションの促進、その他の重要な成果の達成を実現します。AI、アナリティクス、自動化を組み合わせたインテリジェントDAPは、従業員がコンプライアンスを維持し、企業が成長するために不可欠なツールです。
デジタルアダプションプラットフォームの効率的なアプリ内オンボーディングによって、新入社員はすぐに業務に慣れることができますが、メリットはそれだけではありません。 デジタルアダプションプラットフォームは、全体的なユーザー体験を向上させ、ソフトウェアのユーザーだけでなくソフトウェアを開発およびサポートするチームにとっても長期的な価値をもたらします。 主なメリットについて詳しく見ていきましょう。
従来のオンボーディング方法はたいがい、長いマニュアル、動画のチュートリアル、または教室でのセッションに依存しています。 こうした方法では、早く会社に貢献したいと熱意にあふれた新入社員にとっては、あまりに多すぎる上に時間がかかることで出鼻をくじかれかねません(これらの画一的なトレーニング資料を作成・更新する人にとっても、もちろん大きな負担です)。 DAPでは、これを以下のように置き換えて、新規ユーザーがソフトウェアを習得するのにかかる時間(と退屈な作業)を削減します。
受動的で退屈になりがちな学習方法をインタラクティブなセルフサービス体験に置き換えることで、DAPはオンボーディングにかかる時間を大幅に短縮し、新規ユーザーが生産性向上に寄与するまでの時間を格段に迅速化します。
従来のソフトウェアインターフェースは複雑かつ難しいため、ユーザーの不満や離脱につながる可能性があります。DAPは、以下を提供することでこの課題に対応します。
学習をユーザー体験に統合することで、DAPはユーザーをソフトウェアに引き付け、その可能性を最大限に探求できるようにします。
新規ユーザーや、特定のソフトウェア機能に不慣れなユーザー(従業員、顧客のいずれも)は、多くの場合、IT部門やカスタマーサポートに支援を求めます。 こうしたユーザーを支援するために必要なソフトウェアサポートチケット、通話、またはライブチャットの処理には、企業にとって数百万ドルの費用がかかる可能性があります。DAPはセルフサービスリソースを提供することで、このような負担を大幅に軽減できます。
アプリ内ガイド、FAQ、ナレッジベースの記事、さらには状況に即した動画によって、ユーザーは一般的な質問に対する答えを自分で見つけることができるようになるため、多くのサポート案件を削減できます。前述のように、オンデマンドの状況に即したヘルプバブルを使用すると、ワークフロー内で不明点が即座に明確になり、IT部門やカスタマーサポートの支援を待つ必要がなくなります。 DAPはまた、個々のユーザーのニーズや役割に合わせて学習体験を調整することができるため、各ユーザーは適切なガイダンスを受け、無関係な情報が過剰に提供されるような事態を避けることができます。
DAPは、ユーザーが自分で問題を解決するために必要なリソースを提供することでITやカスタマーサポートのリソースを解放するだけではなく、より自律的で生産性の高い労働力と顧客ベースも創出します。
ユーザーマニュアル、動画のチュートリアル、対面トレーニングなどの従来のソフトウェアアプリのオンボーディング方法も重要ですが、デジタルアダプションプラットフォームなら、ソフトウェアの定着化に向けてより包括的かつ効果的にアプローチします。 ここでは、考慮すべき主な違いをいくつかご紹介します。
これらの機能を組み合わせることで、DAPは従来の方法よりも魅力的で効率的、かつデータ主導型のソフトウェア定着化アプローチをとることができます。 ユーザーが使用する必要のあるソフトウェア環境内で自分のペースで学習することを奨励および支援し、学習体験を継続的に改善するための貴重なデータを提供します。
組織のユーザー(顧客と従業員)への効果を最大化するには、適切なデジタルアダプションプラットフォームを選択することが重要です。 ここでは、DAPを選択する際に考慮すべき主な機能をいくつかご紹介します。
これらのポイントを慎重に検討することで、従業員の能力を高め、ソフトウェアの定着化を促進し、プラスのROIを実現するデジタルアダプションプラットフォームを選択できます。
組織への影響と価値の測定は、最初にデジタルアダプションプラットフォームを導入することと同じくらい重要です。 チームのためにソフトウェアを購入することは大きな投資ですが、適切なデジタルアダプションプラットフォームを選ぶことで、その投資は無駄になりません。しかし、どの指標を追跡すべきかわからなければ、DAPを含むあらゆるソフトウェアの価値(ROI)の定量化は難しいでしょう。
適切なデジタルアダプションプラットフォームにより、企業はデジタルアダプション戦略の影響をさまざまな方法で定量化できます。 チームは、ユーザーのトレーニングとオンボーディングをカスタマイズし、これらの取り組みがどれほど効果的であるかを測定できる必要があります。たとえば、DAPを活用したトレーニングを新たに受けた後、サポートチケットのリクエストの量がどのように減少するかを調べることができます。 あるいは、新しいアプリ内ガイドを導入した後、特定のタスクに費やす時間が減少し、それが重要なKPIに影響を与えたかどうかを追跡することもできます。 ただし、デジタルアダプションプラットフォームのROIは、特定のガイドの成功によってではなく、ソフトウェアが提供する機能一式の定着化をDAPがどれだけ効果的に推進するかによって測られるべきものです。
ここでは、いくつかの主な指標と、包括的なアナリティクスを使用してDAPのROIを効果的に測定する方法をご紹介します。
効率的なアプリ内オンボーディングは、DAPの主な利点です。この効果を測定するには、DAPを使用して新規ユーザーがソフトウェアを使いこなすのにかかった時間を監視し、それを従来のオンボーディング方法を使用した場合と比較して、短縮した時間を追跡します。この時間短縮はオンボーディングコストの削減につながり、新規ユーザーがソフトウェアをより迅速に活用できるようになります。
オンボーディングだけではありません。DAPはユーザー全体の生産性も大幅に向上させます。 これは、さまざまな方法で定量化できます。
DAPは、ソフトウェアに対するユーザーエンゲージメントを大幅に向上させ、全体的な定着率を高めることができます。
DAPの完全な価値は、個々のガイドだけでは測れないことを忘れないでください。オンボーディングコストの削減、生産性の向上、ユーザーの定着率向上などのデータを組み合わせることで、DAPへの投資全体のROIを計算できます(Pendoのお客様の70%は、6~8か月以内にROIがプラスになったと報告しています)。
企業がなによりもやってはいけないことは、解決する以上に問題を引き起こしたり、ユーザーにとって新たな障害や負担になるようなデジタルアダプションプラットフォームを選んだりすることです。このページで説明したDAPの他のすべての重要な機能を念頭に置いて、どのDAPが貴社に適しているかを決定する際の最終的な考慮事項を3つ挙げます。
複雑なオンボーディングに注意する:最高のデジタルアダプションプラットフォームは、技術的背景や専門知識のレベルに関係なく、直感的で使いやすい、シンプルかつ合理化された体験とインターフェースをユーザーに提供します。
無秩序なインターフェースを避ける:DAPによってサポートが効率化され、管理者がさまざまなツールやダッシュボード間を常に移動しなくてもすべてのニーズを一元管理できるようにしましょう。
専任サポートにこだわる:優れたデジタルアダプションプラットフォームは、ソフトウェアを単に提供するだけではなく、パートナーとして協力し、成功に導くためのサポートチームの支援があるという点も重要です。
これらの要素に優先順位を付けることで、ソフトウェアの定着化を真に合理化し、煩雑なソリューションに潜む落とし穴を回避して従業員を強化できるDAPおよびDAPベンダーを特定できます。
Pendoはデジタルアダプションプラットフォームをより深く理解したい方のために、ソフトウェアの定着化を加速させ、従業員の生産性を向上させる方法に関する情報を公開しています。