画像

デジタルアダプション

ユーザーがデジタルツール(ソフトウェアプロダクト、アプリ、ウェブサイトなど)を最大限に活用できる状態。

最終更新日:2024年4月24日

さらに深く掘り下げる

デジタルアダプションとは

デジタルアダプションとは、ユーザーが新しいテクノロジー(ソフトウェアプロダクト、アプリ、ウェブサイトなど)を最大限に活用し、デジタルプロセスやソリューションから最大の価値を引き出すことを学ぶプロセスです。

デジタルアダプションは人間中心のプロセスで、テクノロジーそのものだけでなく、テクノロジーを使用する人々にも重点を置いています。 生産性を高め、ユーザー体験を向上させ、ソフトウェアの最適化を図ることを目的としています。適切なデジタルアダプション戦略は、これら3つの柱の交点に位置し、効率的で成熟したデジタルワークプレイスを実現させます。

デジタルアダプションとは


デジタルアダプションが重要なのはなぜですか?

急速に進化する今日のデジタル環境において、新しいテクノロジーやプロセスを採用することはもはやオプションではなく、ビジネスの存続と成長に不可欠です。デジタルアダプションを実施していない組織への影響を考えてみましょう。

  • デジタルディスラプションはあらゆる業界で続いており、企業は、効率性の向上、顧客体験の強化、競争力の獲得を可能にするデジタルアダプション戦略を導入している競合他社に遅れをとるリスクがあります。 
  • デジタルの成熟度が低い企業は、デジタル先進企業と比較して生産性に大きな格差があり、収益や機会の損失につながっています。 
  • 新しいテクノロジーを効果的に活用するためのスキルやサポートがなければ、従業員は不満を感じてやる気を失い、離職率の上昇につながります。 
  • また、デジタルテクノロジーは常に進化しているため、デジタルアダプションの実施に苦戦している企業は、これらの進歩をイノベーション、プロダクト開発、顧客サービスの向上に活用する機会を逃しています。

Pendoがスポンサーを務めるHarvard Business Review Analytic Servicesの2021年のレポートによると、89%の経営者が、従業員向けソフトウェアの定着化促進が優先事項であると答えていますが、自社がそれを効率的に行っていると答えたのはわずか30%であり、残りの70%は以下のリスクを抱えていました。

  • 非効率的なワークフローと手動プロセスによって運用コストが増加する
  • テクノロジーを積極的に活用して売上を伸ばす競合他社に市場シェアを奪われる
  • 時代遅れのツールとトレーニング不足によって従業員のやる気が低下し、離職が誘発される
  • 俊敏性とイノベーションが低下し、急速に変化する状況に適応できなくなる

これらのリスクを軽減し、持続可能な成長と成功への道を切り開くためには、企業は調達したデジタルツールを、従業員ユーザーにも顧客ユーザーにも確実に定着させなくてはなりません。 


主なカテゴリー

ほとんどのデジタルアダプションの取り組みは、次の2つのカテゴリーに分類されます。

顧客向けのデジタルアダプション 

顧客向けのデジタルアダプションは、顧客向けのプロダクトやアプリケーションへのユーザーエンゲージメントの促進に重点を置いています。そして、ユーザー満足度やプロダクト使用率、最終的には顧客リテンションを向上させることを目標にしています。たとえば、新しいモバイルアプリやソフトウェア機能をリリースする場合、顧客向け戦略により、ユーザーはアプリを簡単に操作したり、最新の機能を見つけて使用する方法を理解したりして、それらを活用できるようになります。 

従業員向けのデジタルアダプション

一方、従業員向けのデジタルアダプションは、従業員が社内のソフトウェアやツールを理解して効果的に使用することで、ワークフローを改善し、生産性を高め、ビジネス目標をより迅速かつスムーズに達成できるようにすることに重点を置いています。 たとえば、新しいERPシステムを導入する場合、従業員向け戦略では、従業員を新しいプラットフォームにできるだけ簡単にオンボーディングできるようにする必要があります。


デジタルアダプションにはどのようなメリットがありますか?

デジタルアダプションの最も明白なメリットの1つは、企業が構築または購入したテクノロジーのROIが向上することです。しかし、デジタルツールの定着化が成功すれば、さらにビジネス全体にプラスの影響をもたらします。 

デジタルアダプションとは、従業員がこれらのツールを効果的に活用し、ビジネスの運営方法や顧客とのやり取りを変革できるようにすることでもあります。ユーザー(顧客、従業員、またはその両方)がテクノロジーの価値を最大化することで、ユーザーはより幸せになり、生産性が向上し、ユーザーであり続ける確率が高くなります。最も一般的なメリットは次のとおりです。

  • ワークフローと社内効率の向上 — 新しいプロジェクト管理ツールを使用してチームのコミュニケーションとコラボレーションを合理化し、リアルタイムの更新、タスクの委任、ファイルの一元管理が可能になることを想像してみてください。このツールを使えば、メールの冗長なやり取りやドキュメントの散在、誤解やエラーが排除され、プロジェクトを迅速に完了させることができます。
  • 生産性の向上 — デジタルツールを導入することで、反復的なタスクを自動化し、従業員の貴重な時間をより戦略的な作業に充てることができます。たとえば、自動化されたマーケティングキャンペーンやデータ入力ツールを使用すると、日常的な活動に費やす時間を大幅に削減できるため、従業員は創造性と批判的思考を必要とするタスクに集中できます。
  • テクノロジーに対するユーザーの不満の軽減 — 新しいシステムに苦戦しているユーザーは、すぐに手に負えないと感じて放棄する可能性があり、定着化とROIの妨げになり得ます。わかりやすいガイドやアプリ内サポートなどのデジタルアダプション戦略は、フラストレーションを最小限に抑え、継続的なエンゲージメントを促進します。
  • 顧客と従業員の満足度の向上 — プロダクトやサービスを容易に使用できる顧客は、満足度とロイヤルティが高くなる傾向があります。また、テクノロジーを効果的に使用できる従業員は、仕事の満足度が高まり、より会社に貢献するようになります。
  • コストの削減 — 広範なトレーニング、エラー、やり直しにより、運用コストが大幅に増加する可能性があります。デジタルアダプションにより、企業はトレーニングの必要性を最小限に抑え、プロセスを合理化し、エラーを削減することでテクノロジーへの投資を最大限に活用できます。
  • データ主導の意思決定 — デジタルツールは、顧客の行動、業務のパフォーマンス、市場動向に関する膨大な量のデータを生成します。アナリティクスプラットフォームを活用することで、企業は戦略的意思決定に役立つ貴重なインサイトを得て、改善すべき分野を特定できます。

デジタルアダプションとデジタルトランスフォーメーションの違いは?

「デジタルアダプション」と「デジタルトランスフォーメーション(DX)」は同じ意味で使用されることが多いですが、両者の間には決定的な違いがあります。 

  • デジタルアダプションとは、組織内で新しいデジタルテクノロジーをうまく統合して活用することを指します。これにより、ユーザー(顧客または従業員)は最新のツールやプロセスを確実に受け入れ、効果的に使用できるようになります
  • デジタルトランスフォーメーションは、より広範な概念です。ソフトウェアやその他のデジタルテクノロジーの力を活用するために、組織の運営、文化、ビジネスモデルを徹底的に見直します。これには、新しいツールを導入するだけでなく、仕事の進め方を再考して最適化することも含まれます。

簡単に言うと、デジタルアダプションはデジタルトランスフォーメーションを構成する非常に重要なパーツであり、ソフトウェアを使用して進化する需要に適応するプロセスです。たとえば、ソフトウェアソリューションが手動プロセスに取って代わる場合、従業員がかつて手動で行っていたことを新たにデジタル化した状態に移行できて初めて、完全なデジタルアダプションが実現します。


デジタルトランスフォーメーション(DX)において、デジタルアダプションはどのような役割を担っているでしょうか?

従業員による業務ソフトウェアの定着化に成功している企業は、デジタルトランスフォーメーションの取り組みが成功する可能性が非常に高い企業であると言えます。さまざまな要素の中でも特に、デジタルトランスフォーメーションが成功すれば、従業員は自信を持ってデジタルツールを使いこなし、職場で活躍できるようになります。また、従業員が変革の当事者となることで、ビジネステクノロジーやオペレーションの管理者に重要なフィードバックがもたらされ、新しい優れた働き方が示されるため、このプロセスが今後のデジタル変革計画をより良いものにするための情報源となります。


デジタルアダプションの成功は、企業の性質や目標によって大きく異なります。しかし、成功と言わしめる背景には常に、従業員や顧客またはその両方が、提供されたデジタルツールを受け入れて活用することが求められ、結果としてユーザー体験が向上し、より強力なビジネス成果に結び付きます。 

たとえば、商業用不動産会社の大手企業であるJLLは、社内向けの市場調査アプリやデータ可視化アプリの新機能の認知と定着率の向上を、アプリ内通知と強力なアナリティクスによって成功させました。そうすることで、アプリに対するユーザーの満足度を細かく把握し、長期的に評価を向上させることができました。健康と衛生のグローバルリーダー企業であるEssityは、ユーザーのオンボーディングを自動化し、アプリ内ガイダンスを使って営業担当者に重要なプロセスを説明することで、デジタルアダプションを推進することができました。

これらの例やその他の数え切れないほどの成功事例は、デジタルアダプションが新しいテクノロジーの導入にとどまらないことを浮き彫りにしています。 適切なツールとトレーニングをユーザーに提供することで、ユーザーは企業のデジタルトランスフォーメーションジャーニーに積極的に参加するようになります。 これにより、イノベーションが促進され、従業員の能力が開花し、顧客ロイヤルティが構築され、最終的に組織の競争力が高まり成功につながります。


デジタル導入を増やすにはどうすればいいのか?

プロダクトを可能な限り直感的に操作できるようにすることに加え、企業のユーザーベース全体でデジタルアダプションを促進するのに役立つ、具体的な戦略をご紹介します。

  • オンボーディング:効果的なオンボーディング戦略を構築することで、ユーザー(従業員または顧客)ができるだけ早くアプリケーションを使いこなせるよう支援するだけでなく、ユーザーにプロダクトの価値を認識してもらうことで、リテンションの向上と解約防止に役立てることができます。たとえば、次のものを提供できます。
    • カスタマイズされた体験:新規ユーザーの役割とニーズに応じた、さまざまなオンボーディング体験を提供します。
    • インタラクティブなチュートリアル:静的なテキストによる説明にとどまらず、主要な機能をユーザーに説明するインタラクティブなチュートリアル、ウォークスルー、または短い動画を提供します。
    • 明確な価値提案:ソフトウェアアプリの価値提案と、それがユーザーの日常業務にどのように役立つかを伝えることができます。
    • 測定可能な成果:タスク完了までの時間など、オンボーディング中の主要な指標を追跡して、改善すべき領域を特定します。
  • アプリ内ガイダンス:オンボーディングだけでなく、ユーザーがプロダクトを使用している最中にも状況に即した情報が必要です。多くの企業はアプリ内メッセージを使用して適切なタイミングでコミュニケーションを行い、ユーザーを成功に導いています。Cartegraphはアプリ内メッセージを使って、現場の作業員が作業を効率的に完了できるような行動をアプリ内で促しています。このガイドをモバイルアプリに導入してから6か月後、モバイルでの定着率が62%増加しました。その他の便利な機能には、次のようなものがあります。
    • 状況に即したウォークスルー:ユーザーの行動や、ユーザーがアクセスしている特定の機能に基づいて、短いインタラクティブなウォークスルーをトリガーします。
    • ツールチップと早見表:アプリケーション内で簡単にアクセスできるリマインダーとガイダンスを提供する、状況に即した簡単なツールチップと早見表を提供します。
    • 検索機能:アプリ内に堅牢な検索機能を実装して、ユーザーが質問に対する回答をすばやく効率的に見つけられるようにします。
  • 継続的な教育:デジタルアダプションは継続的なプロセスであるため、オンボーディングが完了した後も、特にプロダクトのリリース、変更、更新があった場合には、継続的な教育リソースでユーザーのエンゲージメントを維持し、情報を提供することが不可欠です。戦術には次のようなものがあります。
    • 定期的なウェビナーとトレーニングセッション:定期的にウェビナーやトレーニングセッションを開催して、新機能を紹介したり、よくある質問に答えたり、ベストプラクティスを紹介したりします。
    • ナレッジベースとユーザーガイド:包括的なナレッジベースとユーザーガイドを作成してドキュメントとリソースを検索しやすくし、継続的に参照できるようにします。
    • 変更管理コミュニケーション:プロダクトの更新、変更、または新機能を複数のチャネルを通じて伝達し、ユーザーが継続的な改善を確実に認識できるようにします。

多くの企業がこれらの手法を効果的に実装するために、デジタルアダプションプラットフォームに目を向けています。これらのプラットフォームは、タスクの自動化、ユーザー体験のパーソナライズ、デジタルアダプションの目標に向けた進捗状況の追跡に役立ちます。


デジタルアダプションを測定するにはどうすればよいですか?

社内ソフトウェアのデジタルアダプションは通常、従業員の生産性の向上で測定されます。一方、顧客向けのデジタルプロダクトは、さまざまなビジネスKPIや、先進的な組織ではプロダクト体験の目標に対して測定されます。

測定するための主要な指標

デジタルアダプションの成功を測定するには、社内ユーザー(従業員向け)と社外ユーザー(顧客向け)両方の重要な指標を追跡する必要があります。 ここでは、必要な指標とその追跡方法をいくつかご紹介します (注:効果的なデジタルアダプションプラットフォームでは、これらを自動で追跡および記録できます)。

従業員向けの指標

  • ログイン頻度とアクティブユーザー数
    • 追跡方法ログインしてソフトウェアをアクティブに使用しているユーザーの数を経時的に測定します。
    • 重要な理由 : 新しいツールに対するユーザーの慣れやエンゲージメントの度合いを把握できます。
  • タスク完了率
    • 追跡方法ソフトウェア内の特定のタスクを完了したユーザーの割合を監視します。
    • 重要な理由ユーザーに追加のトレーニングやサポートが必要な領域を特定するのに役立ちます。
  • タスクに費やされた時間
    • 追跡方法ユーザーがソフトウェア内の特定のタスクを完了するのに費やした平均時間を分析します。
    • 重要な理由費やす時間が減少した場合、効率と熟練度の向上を示している可能性があります。
  • ヘルプデスクチケットとユーザーフィードバック
    • 追跡方法新しいソフトウェアに関連するヘルプデスクチケットの数を測定します。
    • 重要な理由ユーザーフィードバックは、混乱や問題のある領域を特定するのに役立ちます。

顧客向けのデジタル指標

  • アクティブユーザー数と機能の定着率
    • 追跡方法アプリケーションをアクティブに使用しているユーザーの数と、そのユーザーが使用している特定の機能を追跡します。
    • 重要な理由ユーザーの行動と機能の人気度に関するインサイトを提供します。
  • コンバージョン率
    • 追跡方法購入、サービスのサブスクリプション、登録フォームへの記入など、アプリケーション内で目的のアクションを完了したユーザーの割合を監視します。
    • 重要な理由目的のアクションを完了するユーザー数の増加により、ユーザーインターフェースまたはマーケティングにおける最近の変更が効果的であるかどうかがわかる可能性があります。
  • 機能に費やされた時間
    • 追跡方法ユーザーがアプリケーション内の特定の機能に費やした平均時間を分析します。
    • 重要な理由ユーザーのエンゲージメントとユーザーが価値を見出しそうな領域を把握できます。
  • アプリの評価とレビュー
    • 追跡方法アプリ ストアまたはその他のプラットフォームでユーザーの評価とレビューを監視します。
    • 重要な理由全体的なユーザー満足度を測定し、問題点を特定するのに役立ちます。

これらの指標を追跡してデータを分析することで、ユーザーの行動に関する貴重なインサイトを得て、デジタルアダプション戦略の改善すべき分野を特定できます。 この継続的なプロセスにより、ユーザーはテクノロジーを最大限に活用し、その価値を最大化し、望ましいビジネス成果を達成することができます。


デジタルアダプションに関する詳細はどこで確認できますか?

デジタルアダプションとDAPをさらに深く理解したい人のために、Pendoはデジタルアダプションの推進を運用化し、結果を測定する方法についての情報を公開しています。

デジタルトランスフォーメーション(DX)のためのオールインワンプラットフォーム

顧客が望み、お金を払いたいと思うようなデジタル体験を、プロダクト、マーケティング、カスタマーサクセス、ITの各チームが提供できるように支援すると同時に、単一のプロダクトプラットフォームでコストを統合します。