編集者注:2022年8月、当社はプロダクトエンゲージメントスコア(PES)APIの機能を拡張し、お客様がPESを使用する際の柔軟性をさらに向上させました。ユーザーは、PESの定着率コンポーネントの計算に使用するコアイベントの数を任意に指定できるようになりました。これらのアップデートの詳細とその他の使用例については、以下をご覧ください。
プロダクトエンゲージメントスコア(PES)は、プロダクトの定着率、粘着性、成長率を平均したもので、プロダクトチームやカスタマーサクセスチームに、顧客がどのようにプロダクトと関わっているかを測定する優れた方法を提供します。 2021年初頭にPESをリリースして以来、お客様の貴重なフィードバックを念頭に置いて指標を改善し、新機能の追加を行ってきました。
本日、新しいPES APIにより、PESの力をさらに引き出す方法について発表いたします。皆さまのフィードバックのおかげで、プロダクトデータをビジネス上の意思決定の直接的な推進力にするのに役立つ主要なレポートの活用をサポートするPES APIを開発できました。このAPIによって、シンプルで拡張性の高い方法でPESデータを他のビジネス部門とのコミュニケーションに取り入れたり、すでに使用しているツールやレポートにPESデータをインポートしたりできます。こうすることで、アカウントの健全性指標やビジネス指標などと共にPESを表示することができます。
PES APIの詳細については、こちらをご覧ください。PES APIが貴社のビジネスにどのように役立つかにご興味がある方は、このあと説明する、より良いレポートやデータに基づいた意思決定、実験を促進するための5つの方法をお読みください。
PESを外部ツールやデータウェアハウスにエクスポートし、プロダクトのパフォーマンスをより包括的に把握
今日のソフトウェア責任者やプロダクトマネージャーは、収益、NRR、NPSといったビジネス指標にとどまらず、プロダクトの使用状況の指標も取り入れて、プロダクトの全体的な健全性を把握しています。PESのデータをSalesforce、PowerBI、Planhatなど、すでに使用しているツールに取り込むことで、ビジネス全体のパフォーマンスを示す重要なレポートを簡単に作成でき、プロダクトの開発や改善に役立てることができます。
たとえば、プロダクトの定着化が遅い場合は、オンボーディング体験を検証し、改善する必要があるかもしれません。プロダクト主導であるためには、データ駆動型であることが必要です。PESがあれば、プロダクトデータを実用的なインサイトに変換し、成長、定着化、リテンションを促進することができると考えています。
PESとアカウントデータで顧客の健全性レポートを作成し、顧客エンゲージメントをより詳細に把握
カスタマーサクセスマネージャー(CSM)が顧客をサポートし、顧客への価値を高めるためには、アカウントの健全性を理解することが極めて重要です。CSMはそのために、アカウントの成長率、解約データ、NPSやPESなど、さまざまな指標を確認します。実際に多くのお客様がPESデータを利用して、顧客の健全性をよりよく理解しています。
PES APIでは、アカウントごとにPES全体とそれぞれの構成要素のスコアをエクスポートできるため、カスタマーサクセスのプラットフォームで直接、より完全なアカウントの健全性レポートを作成できます(顧客の健全性データがすでに存在する場合)。これらの新しいレポートでは、PESと他のアカウントの健全性指標(例:プロダクトのフィードバック、サポートチケットの数など)を分析し、関連付け、解約リスクのある顧客に積極的にアプローチすることができます。
PESが顧客リテンションに与える影響を分析する
新規顧客の獲得にコストがかかることはよく知られている事実です。既存顧客を維持するよりも新規顧客を獲得する方が最大5倍ものコストがかかることがわかっています。したがって、経営幹部、プロダクトマネージャー、カスタマーサクセスマネージャーが、顧客が解約するかどうか、いつ解約するのかを知りたいと考えるのは当然のことです。あるアカウントや特定のアカウントセットでプロダクトエンゲージメントが減少している場合、これはフラグを立てる必要のある重要なシグナルでしょうか?
昨年、私たちはこの正確な分析を行い、PESが実際に顧客リテンションの成果を示す先行指標であることを発見しました。新しいPES APIでは、アカウントごとにPESデータを表示し、顧客チャーンの特定、理解、防止に役立つ分析を実行できます。
さまざまなユーザーセグメントのPESを理解する
大規模なアプリケーションの場合、異なるペルソナがプロダクトの異なる部分と相互作用することが一般的です。例として、企業の顧客関係管理(CRM)アプリケーションを取り上げます。アカウントや取引先の管理にほとんどの時間を費やす営業チームは、主なターゲットユーザーペルソナになると思われますが、プロダクトチームも顧客アカウントや特定のユースケースを調査するためにアプリケーションにログインすることがあります。プロダクトチームはおそらく、アカウントや取引先リストではなく、ログに記録されたミーティング議事録ページを見るでしょう。PES APIを使用すると、これらの異なるユーザーペルソナセグメントごとにコアイベントを定義し、各セグメントが彼らにとって最も価値があり関連性の高いプロダクトの部分とどのように相互作用しているかを理解できます。また、リクエストには10個以上のイベントを定義できるため、設定できるコアイベントが10個までという制限を事実上取り除くことができます。この拡張機能により、ユーザーセグメントによって定着率やPESスコアがどのように異なるかを理解できます。
さまざまなコアイベントを試して、PESへの影響を分析する
「変化こそ唯一の不変のもの」という言葉がありますが、これはプロダクト開発においても例外ではありません。プロダクトの進化や改良に伴ってユーザーがプロダクトの異なる部分(または新しい部分)に価値を見出すと、コアイベントが変化することがあります。PES APIを使用すると、さまざまなコアイベントを簡単に定義し、対応する定着化スコアと総合PESスコアを出力して、異なるイベントセットがスコアにどのような影響を与えるかを分析できます。また、PESを使い始めたばかりの方にとってコアイベントの選定がいかに大変な作業であるかは、私たちもよく理解しています。プロダクトにとって意味のある適切なイベントを見つけるために、PES APIを試し、好きなだけさまざまなイベントをテストしてください。
これらの活用事例が、PES APIの検討やPESを使い始めるきっかけになれば幸いです。貴社でのPESのさらなる活用例があれば、こちらからお知らせください。