「Less is more(少ない方が豊かである)」と言う表現がありますが、実際にそれを実践している人は少ないのではないでしょうか?特にプロダクトマネージャーにとっては、「More is more(多い方が良い)」のです。PMは常に、より多くの機能を開発し、より多くの改良を行いたい、あるいは全く新しいプロダクトを作りたいと考えています。これは必ずしも悪いことではありませんが、時には本当に必要なものだけに集中すべき時もあります(と言うと"こんまり" が微笑む姿が浮かぶのは私だけでしょうか)。
昨年秋に開催されたPendoの年次カンファレンス「Pendomonium」で、私たちは最も重要なことに集中することをお約束し、Pendoユーザーがプロダクト内の10個のコアフィーチャーをマッピングできる新機能、コアイベントを導入しました。また、ビジネスの成果につながるプロダクトの重要な部分をプロダクトリーダーがより理解できるよう、新しい指標と可視化の開発にも取り組んでいます。
なぜ10個なのか?
これまでは、プロダクトのすべてのフィーチャーにタグ付けすることを推奨しており、タグ付けされたフィーチャーはすべてPendoで同等に扱われていました。しかしPMは、すべてのフィーチャーが同じわけではないことを知っています。プロダクトの構成上、絶対に必要であり、そのように扱われるべきフィーチャーもあります。
コアイベントは、プロダクト内でフィーチャーを差別化することを意図しています。Pendoでタグ付けされた他のフィーチャーとは異なる扱いを受けるべきものであり、プロダクトマネジメントチームはコアイベントに対してより注意を払うべきです。私たちがコアイベントを10個に絞っているのは、お客様に最も重要なフィーチャーについて熟慮していただきたいからです。この10個のフィーチャーは、定着率を向上させるための議論を推進し、チームが顧客の将来のリテンションを予測するのに役立つものであるべきです。10個を超えたら、それは本当にコア(=主要)イベントと言えるのでしょうか?
とはいえ、コアフィーチャーを10個以上には絶対しない、ということではありません。カスタマージャーニー、ペルソナ、プロダクトエリアごとに積極的にコアイベントに関するフィードバックを収集しています。その上で、現状10個が良いという判断をしています。
コアイベントの使い方
コアイベントの最も有用な用途の1つは、新規ユーザーのオンボーディングです。新しいユーザーに与える第一印象は非常に重要です。ユーザーは、プロダクトの使い方とそれがもたらす価値の両方を理解する必要があります。つまり、プロダクトの価値を最もよく示す部分を強調する必要があり、そのためにこの10個のコアフィーチャーが重要になります。
アプリ内オンボーディングを設計する際、ユーザーがプロダクトを初めて体験する際にどのフィーチャーを強調するかを決定する際の指針として、コアイベントを使用することができます。コアイベントが優れているのは、これらのフィーチャーにアクセスしたユーザーは、平均的なユーザーよりもリテンションが高くなる点です。そのため、リテンションが高くなることが分かっているフィーチャーに新規顧客を誘導することで、プロダクトの最も価値のある領域をすぐに見つけて使ってもらうことができます。また、コアイベントデータを掘り下げて、オンボーディングをさらに最適化するのに役立つインサイトを発見することもできます。以下のような質問について考えてみてください。
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- さまざまなユーザーセグメントによって、コアイベントの見いだし方はどう違いますか?
- コアイベントの中で、ユーザーが探すのに一番時間がかかっているのはどれか?その理由は?
- 最も高いリテンションを実現するコアイベントで、最初の30、60、90日間にこのフィーチャーを発見したユーザーの割合はどの程度か?これをどのように改善できるか?
弊社のお客様の一社であるShipStationは、無料トライアル体験中の新規ユーザーの半数が、オンボーディング中に重要なフィーチャーを発見できず、その結果、予想以上にサポートに問い合わせが届いていることに気づきました。このインサイトに基づき、チームはこのコアイベントの認知と利用を促進するために、対象を絞ったアプリ内ガイドを作成しました。45日後、このフィーチャーを利用した新規ユーザーの数は33%増加し、初回利用までの平均時間は丸1日短縮されました。これは、新規ユーザーを自社プロダクトの必須フィーチャーに誘導する力を示す一例にすぎません。
未来を見据えて
Pendoでコアイベントが利用できるようになったことで、弊社のプロダクトチームは今後もこの強力な機能を応用していこうと考えています。同時に、お客様がこのコンセプトをどのように採用しているか観察し、直接フィードバックも収集しています。たとえば、データサイエンスを通じてお客様がコアイベントを決定するのを支援したり、コアイベントを使用してペルソナを定義するお手伝いをしたりするような世界が考えられます。
コアイベントの詳細については、ヘルプ記事でコアイベントの設定方法とPendoでのコアイベントウィジェットの解釈方法をご覧ください。