JLLが不動産テクノロジーにおける革新的なデジタル体験を生み出している方法
ビジネステクノロジーにおける最先端のイノベーションは、もはやテクノロジー企業だけで起こるものではありません。すべての企業は、提供するサービスやプロダクトに関係なく、今やソフトウェア企業なのです。この真実を説明するために、世界第2位の総合不動産サービス企業であるJLLを見てみましょう。
10万人以上の従業員を擁するJLLは、1783年に設立された著名な事業用不動産会社です。しかし、その輝かしい過去にとどまらず、JLLはしっかりと未来を見据えています。JLL Technologies(JLLT)を通じて、革新的でベストインクラスの不動産テクノロジー(PropTech)体験とプロダクトをユーザーに提供し、そのためにPendoを使用しています。
事業用不動産におけるDXの推進
JLL は、商業用不動産業界のあらゆる分野を網羅する、一連のグローバルサービスを提供しています。商業ビルを購入、販売、運営したい投資家と、大小さまざまなスペースを見つけ、建設、運営したい入居者の両方をサポートしています。
従来はサイロ状に存在していた技術開発の数々をまとめるために、クライアントだけでなく、ブローカーやその他の従業員に対するサービスも、2019年に設立されたJLLTを経由して行われることが多くなっています。JLLTは、事業用不動産市場に関するデータを収集、分析、説明するソフトウェアプロダクトを作成しています。これは、ブローカーが重要な意思決定についてクライアントにカウンセリングを行う際に役立っています。
また、JLLTは、リサーチアナリストがクライアントやより大きなビジネスに対してより良いアドバイスをするために、正しい答えを導き出すための支援も行っています。「私たちは世界中に市場の専門家であるリサーチャーを抱えています」と、JLLTのマーケットインテリジェンスグループのプロダクトディレクターであるDaniel Fenton氏は述べています。「彼らは、オフィス市場、産業市場、データセンター、小売、ヘルスケアなど、さまざまな側面を追跡し、当社のテクノロジーを使ってデータを収集し、管理しています。」
開発リソースを解放し、効率を高める
Fenton氏のチームが管理する重要なプロダクトのひとつが、Blackbirdです。これは地理空間視覚化プラットフォームで、市場知識を視覚的に説得力のある方法でクライアントにデモンストレーションできるように設計されています。このプラットフォームは何年も前から存在しており、時間の経過とともにさまざまな機能が蓄積されてきました。多くの機能があるため、JLLTは新機能が埋もれてしまわないようにし、ブローカーが新機能をすばやく利用し、価値を得られるようにしたいと考えていました。つまり、エンジニアに過度な負担をかけずに、新機能の認知度を上げ、サポートを充実させたいと考えていたのです。
「プロダクトチームにとって最悪のことは、誰も使わないものを開発することです」とFenton氏は言います。このようなことがないようにするために、「以前は、どのような新機能が提供されているかを人々が理解するのに役立つ独自のガイドを作成するために、かなりのエンジニアリング作業と設計時間を費やしていました」と同氏は説明します。「以前は3日くらいかかっていました。」
しかし、エンジニアの貴重な時間を節約しながら、組織の効率を高めるより良い方法がありました。JLLTは、新機能についてのサポートとユーザーへの周知にPendoのアプリ内ガイドを採用し、すぐにタスク時間が短縮されるという効果を実感することができました。Fenton氏によれば、以前はエンジニアが手作業で3日かかっていたものが、今ではプロダクトマネージャーが1時間で処理できるようになったと言います。
ユーザーのセンチメントを測定して、プロダクトに関する意思決定を改善
Fenton氏のチームは、組織の効率性を高めるためにPendoを活用したのと同じように、Blackbirdの重要なユーザーフィードバック、特にネットプロモータースコア(NPS)の収集を開始し、プラットフォーム上のブローカーのセンチメントの健全性を評価するためにもPendoを活用しました。
「ブローカーは実際、顧客のようなものです」と、Fenton氏は説明します。「というのも、彼らは業界内の企業を転々とし、自分の顧客も一緒に持っていくことがあるからです。ですから、彼らのために素晴らしいソフトウェアを作っているとブローカーが感じてくれることは、私たちにとって非常に重要です。」言い換えれば、NPSはFenton氏とマーケットインテリジェンスチームに、ブローカーがBlackbirdのプラットフォームからどれだけの価値を得ているかを示すインサイトを与えてくれたのです。
「NPSは、収益をBlackbirdに直接結びつける方法がない場合、Blackbirdの価値をどうやって測ればいいのか、という問題を解決してくれました。私たちは、ユーザーのニーズに応えられているか?NPSにより、ユーザーのセンチメントがどのようなものかを実際に測定する方法が得られました。」
プロダクトインサイトを行動にかえる
Fenton氏のチームが管理するもう1つの社内用アプリがMarketSphereです。MarketSphereは、商業用不動産データを追跡・集計し、それに関するレポートや分析をブローカー、研究者、顧客に提供するビジネスインテリジェンスプラットフォームです。
「すべての市場で一貫して統計データを提供できるようにするには、共通のシステムを使用する必要がありました」とFenton氏は説明します。MarketSphereアプリの作成につながったのは、市場全体で単一のデータレポートを標準的に提供できることと、それに伴う効率の向上でした。
Blackbirdと同様、MarketSphereも何年も前から存在しており、Fenton氏のチームは、蓄積された多くの機能が使われておらず、廃止するか改善することができるのではないかと考えていました。しかし、MarketSphereを従来のアナリティクスプラットフォームと接続することは、法外な費用がかかりました。そこで、チームはPendoを導入しました。
「既存のデータベースには、求めていた機能の使用状況データがなかったのですが、Pendoを使うことで、比較的古いプロダクトでは得られなかったインサイトをすぐに得ることができました」とFenton氏は言います。
Pendoが提供する使用状況データの価値を認識し、それに応じてMarketSphere機能のアップデートを開始すると、マーケットインテリジェンスチームはプラットフォームでのPendoの使用を拡大しました。Blackbirdと同様に、JLLTはMarketSphereでもNPSフィードバックの収集を開始し、追跡が開始されてからスコアが30ポイント増加しました。さらに、トレーニング用のアプリ内ガイドの追加や、アップデートや新機能に関するコミュニケーションの展開などにも使用しました。何よりも、PendoはJLLTチームがデータに基づいたより良い意思決定を下すのに役立ちました。結局のところ、「データという事実」には反論できないのです、とFenton氏は言います。