PendoがMPOWR Envisionの運用上の盲点をなくして状況を可視化した方法
「データスパゲッティ」という言葉を聞いたことはありますか?
プロダクトマネージャーのMatt Heggelund氏は、自分のチームが開発していたソフトウェアMPOWR Envisionが実際にどのように使われているか、どのように思われているかを正確に把握するために、つぎはぎだらけのシステムからデータをエクスポートする際に感じたフラストレーションを、この言葉で表現しています。MPOWR Envisionは、柔軟な戦略プランに基づきチームのコラボレーションとエンゲージメントを促進することで、組織の目標達成を支援しています。
「多くの時間をムダにしていました。Google Analytics、WalkMe、Salesforceを使っていましたが…ごちゃごちゃしていて、しかもよく機能しないことがありました」とHeggelund氏は言います。「あるシステムではある数字が表示され、別のシステムでは別の数字が表示されるといった具合で、何が起こっているのかを正確に把握することがとても難しく、そのために受け身な姿勢になってしまっていたのです。」
そして、この状況は成長の足かせになる恐れがありました。解約してしまう顧客が後を絶たず、チームもその理由を理解し防止策を講じることができていませんでした。コロナ禍に無料トライアルを展開した際も、ユーザーが有償ユーザーにコンバージョンするかは、トライアルの最後でしかわからず、ユーザーを説得するには時すでに遅し、という状況でした。
何とかする必要があったHeggelund氏は、MPOWR Envisionの現在のシステムとシームレスに連動し、「プロダクトの使用状況に関するインサイト」と、「顧客がどのように感じているか」を把握できるようなソリューションを探し求めました。彼は、この2点が、アカウントのリテンションを理解し、向上させる鍵となることを理解していたのです。
Pendoを見つけたのはそんな時でした。Pendoのアナリティクスにより、プロダクトの使用状況を細かく把握し、アプリ内メッセージにより、ユーザーが積極的に利用している時にリーチすることができました。そして何より、すべてがシームレスに連動していることが大きな利点でした。また、Pendoの豊富なインテグレーションにより、ユーザーの役割や業界などに応じてセグメント化し、そのデータを他のシステムへフィードすることも可能です。
Pendoによる診断
チームはさっそくPendoを使い始め、顧客の健全性を評価する方法を開発しました。
Heggelund氏は、カスタマーサクセス部門全体にPendoのトレーニングを行わずとも、アカウントの状態を把握する方法を提供したいと考えました。彼はCS部門が日々Salesforceを使用していることを知っていたので、PendoのSalesforceとのインテグレーション機能を使用して、アカウントレベルのPendoデータをそのチームのSalesforceインスタンスに直接送り込みました。
「マッピングが簡単で、直感的で、パワフルでした」と彼は言います。あるアカウントが解約の可能性があり何らかの介入が必要なのか、それとも利用者枠が足りなくなりつつあり、拡大のタイミングなのかを、カスタマーサクセスマネージャーが判断するために必要な情報を提供するダッシュボードを構築することができたのです。「彼らは知識を得ることで、積極的に行動できるようになりました」とHeggelund氏は言います。
満足度を教えてください
PendoのNPS調査機能を使うことにより、CSチームはさらにデータ取得を強化しました。Heggelund氏は、NPSデータが各アカウントのSalesforceプロファイルに直接フィードされるようにインテグレーションを設定し、カスタマーサクセスマネージャーがそれをモニターできるようにしたのです。例えば81点をつけた顧客には、事例や紹介の候補としてフラグを立てました。
また、NPSの回答を引用してMPOWR Envisionのウェブサイトに掲載し、その回答者にG2などのレビューサイトへの投稿を促すプログラムも展開しています。また、インセンティブキャンペーンにかける費用を最適化することにも役立っています。
ちなみに同社では、PendoとG2のインテグレーションも利用しており、Pendoのアプリ内ガイドのなかでレビューを集めることができるようになっています。ユーザーを外部ページに誘導することなく、MPOWR Envisionはユーザーがプロダクトを使用している間にレビューを収集することで、強力なG2プロファイルを構築することができています。
データ取得による的確な対策
Pendoを使うことで、MPOWR Envisionチームは、アカウントがPendoにログインする頻度や、新機能を使用したかどうかをカスタマーサクセスチームに示すなど、より高度な情報を得ることができました。カスタマーサクセス側は、データをセグメント化し、新機能を使用していないすべての顧客のリストを作成して、トレーニングセッションやウェビナーに招待して定着化を促進することができました。
双方向の関係
顧客一人ひとりの健全性をすばやく把握できるようになったら、次のステップは、そのなかで最も満足している顧客とつながり、プロダクトについての口コミの拡散に協力してもらえるかどうかを確認することです。MPOWR Envisionのチームは、まさにそれを実現できました。
PendoとSalesforceのインテグレーションは双方向にデータをやりとりできるので、チームは顧客の企業統計データをPendoに送り込み、自分たちのプロダクトがどの業界で注目を集めているのかを知ることができたのです。
「たとえば『航空宇宙および防衛産業で良い結果が出ているから、この業界のお客様のなかから、お客様事例を作成したいという方がいないか、声をかけてみよう』というようなことを言えます」とHeggelund氏。「今や私たちにはコンテンツ、そしてセールスとマーケティングを支援するツールがあります。これは、『ここはどんな会社なのか?』というお客様の問いに答えるために、スタートアップの段階である私たちには本当に重要なことです。」
最終的にPendoを使用することにより、MPOWRではフライホイール効果が出始めました。「定量的データと定性的データの両方を使用して、よい結果が出ている業界を特定しています。しかも、多くの開発リソースを使わずに実現できています」とHeggelund氏は言います。
「私たちは、より多くのお客様を獲得するために、アンバサダーを特定し、彼らに協力してもらうことにしています。そして、お客様に的確に各種コンテンツを提供することで、生涯顧客になっていただけるよう尽力しています」とのことです。「私たちにはこれまで運用上の盲点がありました。でもPendoのおかげでさまざまなことが可視化され、見通しがクリアになりました。