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価値のギャップとは?
価値のギャップは、ソフトウェアプロダクトに感じる価値と、実際に使って感じた価値との間に齟齬がある場合にユーザーの期待と現実との間の「ずれ」から生じます。Pendoのプロダクトベンチマークレポートにある研究者の発表によると、新しいプロダクトの使用を開始したユーザーのうち最初の90日間に定期的に使用していた人はわずか30%で、ほとんどのユーザーが購入時に期待した価値を体験していないことがわかりました。多くの場合、新しいユーザーの能力不足やプロダクトの不完全さではなく、教育を妨げる障壁があるためにユーザーがアプリの価値を見出せないことが問題です。
価値のギャップが重要な理由
新しいユーザーがプロダクトの価値を簡単に見出せない場合、プロダクトの使用を完全に放棄する可能性があります。SaaSアプリケーションの台頭により切り替えが非常に低コストになった現在は、この傾向が顕著です。企業は、顧客チャーンは契約の終了時に発生するのではなく、ユーザーがプロダクトの有用性や価値を感じなくなったときに発生することを覚えておく必要があります。
プロダクトの価値のギャップを最小限に抑える方法
価値のギャップを埋める(または防ぐ)ために、企業は効果的なオンボーディング体験を実装し、新しいユーザーがプロダクトをできるだけ早く学び、価値を見つけることができるようにする必要があります。オンボーディングを管理する方法はさまざまですが、多くの企業がアプリ内でのアプローチに目を向けています。アプリ内オンボーディングにより、企業は新規ユーザーがプロダクトを操作する際にコンテキストに沿った情報を提供し、ユーザーが最も関連性の高い機能を使用できるように支援できます。
たとえば、Citrixでは、プロダクトアナリティクスを使用して、他のプロダクトよりも高い確率で有料顧客にコンバージョンする特定のトライアル利用パターンを特定しました。このチームは、トライアルユーザーを特定のフィーチャーに誘導するアプリ内オンボーディングフローを作成し、トライアルのコンバージョン率を28%向上させることができました。
ここでは、効果的なアプリ内オンボーディング戦略を構築するためのベストプラクティスをご紹介します。
- シンプルに保つ:オンボーディングのフローをできるだけシンプルにするようにしてください。ユーザーが最初にログインしたときに、ユーザーがプロダクトの使い方に戸惑うようなことがあってはなりません。
- 異なる学習スタイルに対応する計画を策定する:学習方法は人それぞれであるため、複数のフォーマット(動画、イラスト入りウォークスルーなど)を用意し、ユーザーがオンボーディングを進められるよう配慮します。(例:好きな順番でトピックを探せるようにするなど)
- 可能な限りパーソナライズする:自社のプロダクトが複数のタイプのユーザーに提供されている可能性が高いため、アプリ内のオンボーディングを、さまざまなユーザーセグメント、そのユーザー固有のニーズ、成功の促進に必要なワークフローに合わせて調整することが重要です。
- オーナーシップを明確にする:オンボーディングのオーナーシップを明確にし(オンボーディング専任の担当者、またはプロダクトやカスタマーサクセスのメンバーなど)、計画や実行のプロセスに適切な関係者を参加させるようにしてください。