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ユーザーフィードバック

プロダクトに関する顧客の好き嫌い、印象、および要求に関する定性的および定量的データ。

最終更新日:2024年3月28日

ユーザーフィードバックとは

ユーザーフィードバックは、プロダクトに関する顧客の好き嫌い、印象、および要求に関する定性的および定量的データです。ユーザーからのフィードバックを収集し理解することは、ユーザーのニーズに基づいて改善したい企業にとって非常に重要です。ユーザーフィードバックのチャネルには、メールや電話によるアンケート、第三者による調査などがありますが、最も信頼性が高く、反応が良いのは、アプリ内メッセージとプロダクト内アンケートによって配信されるユーザーフィードバックのチャネルです。

また、プロダクト自体にフィードバックポータルを設けることも効果的です。Kajabiのチームは、ユーザーが機能リクエストを送信したり、他のユーザーが送信した機能リクエストに投票したりできるポータルを実装した後、何千人ものユーザーがそれに参加するのを目の当たりにしました。これらのリクエストは、ユーザーがプロダクトに何を求めているのかをチームがより深く理解するのに役立ちました。


ユーザーフィードバックが重要である理由

プロダクトのことだけを考えて仕事をしていると、毎日プロダクトを使用するユーザーの立場に立って考えることは難しいものです。ユーザーフィードバックを収集することで、一歩下がって新鮮な目でプロダクトを見ることができます。ユーザーがプロダクトを使用する際に何を考え、どう感じているかを理解し、その体験に共感し、何がうまくいっているのか、あるいはうまくいっていないのかについて、実用的なインサイトを得ることができます。ユーザーフィードバックは、次のような質問に答えるのに役立ちます。

  • プロダクトXや機能Yについて、ユーザーはどのように考えているか?その理由は?
  • 繰り返し出てきているリクエストや課題にはどのようなものがあるか?その対処方法は?
  • プロダクト体験のどこにギャップがあるのか?

また、フィードバックを求めることで、ユーザーや顧客の意見を尊重していることが伝わり、ロイヤルティと信頼が高まります(ただし、必ず回答し、やり取りを完結させるようにしてください)。そして、ユーザーからのフィードバックの傾向を把握することで、自信を持って反復できるようになります。 

ユーザーフィードバックは、社内で使用する場合にも重要です。そのプロダクトが購入したソフトウェアであり、ユーザーが自社の従業員である場合、オンボーディングプロセスがどれだけスムーズか、新機能の定着化がどれだけ進んでいるか、チームがアプリを全体としてどれだけ快適に使用しているかなどについて、センチメントを測定してコメントを求めることが重要です。そうすることで、デジタルアダプション計画を最適化するための適切な決定を下すのに役立ちます。 


ユーザーフィードバックの種類

  • NPS:ネットプロモータースコアは、「このプロダクトを友人や同僚に薦める可能性はどの程度ありますか?」という質問に対する0~10点の評価に基づいて、顧客を推奨者、中立者、批判者に分類する構造的な方法です。
  • CSAT:顧客満足度。通常、サポートスタッフとのやり取りやその他のトランザクションの後に実施されます。
  • 機能リクエスト:機能強化や希望する機能についての顧客フィードバックは、市場の需要を評価し、次に何を開発すべきかを知るための重要な手段です。
  • リリースフィードバック:プロダクトチームが新しいプロダクトや機能をリリースした後、リリース後のフィードバックを収集することは、プロダクトが目標を達成したかどうかや、まだやるべきことがあるかどうかを知るための重要な方法です。

ユーザーフィードバックの収集方法

ユーザーフィードバックの収集にあたっては、多くのアプローチと方法論があります。フィードバック収集アプローチの理由、方法、場所は、より広範なお客様の声(VOC)プログラムに含めるのが理想的ですが、小規模から開始しても問題ありません。ここでは、ユーザーとのエンゲージメントを高めるために活用できる戦術をいくつか紹介します。

  • アプリ内メッセージ/アンケート:名前から分かるように、このフィードバックのリクエストはアプリケーション内に展開されます。ユーザーが実際にプロダクトを使用しているときにフィードバックを求めることで、リアルタイムでコンテキストに応じたユーザーのセンチメントを把握できるようになります。この方法は、評価尺度型の質問を手早く処理できます(詳細については後述)。
  • パルスサーベイ:ユーザーまたはユーザーの一部を対象として定期的に実施される簡単なアンケートです。パルスサーベイは、メールやSNSなど、ユーザーが日常的に利用しているプラットフォームを通じて実施できます。パルスサーベイの利点は、一定の間隔を保って、経時的にセンチメントを追跡できることです。パルスサーベイの一環として、少なくとも1つの定量的な指標を設けるようにすると、傾向や変動を容易に把握することができます。
  • ユーザーテスト:ユーザーテストのアプローチについては、さまざまな考え方があります。しかし、プロダクトに関して言えば、ユーザーが操作している様子を観察するだけでも、非常に価値のあるものになります。プロダクトのどの部分が直感的であるか、そうでないかをすぐに知ることができ、ユーザーがどこで行き詰まっているか、どこに向かうべきかを直接見ることができます。その教訓は、チームで使用するために購入したソフトウェアにも当てはまります。従業員が抱える問題点や阻害要因を把握することで、オンボーディングプロセスを最適化し、アプリ内やアプリ間での摩擦を軽減することができます。 
  • ユーザーインタビュー:ユーザーとの1対1のインタビューを実施することで、率直でフィルターのかかっていないフィードバックをユーザー個人のレベルで収集できます。インタビューは一般的に労力と時間がかかるものですが、データを総合的に評価する際に失われる可能性のある定性的なフィードバック(そして生の言葉)を得ることができる貴重な情報源となります。
  • フォーカスグループ:フォーカスグループでは、少人数のユーザーコホートを集めて、プロダクトに関する体験についてオープンに話し合うことができます。フォーカスグループを情報源として、定性的なフィードバックのインサイトを得ることができますが、集団思考が議論を左右したり、ユーザーのセンチメントに影響を与えたりする可能性があるため、注意が必要です。
  • フィードバックの収集と優先順位付けツール:ユーザーが自主的にフィードバックやプロダクトのリクエストを提出できる専用の場所をウェブサイトやプロダクト内に設けることで、ユーザーをプロダクトの中心として考えていることを示すことができます。また、プロダクトオーナーにとっては、送られてくるすべてのフィードバックを一箇所で管理できるため、最終的に十分な情報に基づいた意思決定ができるようになります。これをPendo Feedbackによってどのように実現できるかは、こちらでご確認ください。従業員に対しても同様のアプローチをとることで、従業員の体験を最適化するための正しい選択ができるようになります。また、従業員の考えや払拭されていない懸念事項をチームに知らせることができます。

フィードバックを得るために使用できる質問形式

  • 選択リスト:ユーザーは、事前に選定されたリストから1つの選択肢を選びます。通常、ドロップダウンメニューやラジオボタン形式で提供されます。「どの業界ですか?」や「あなたの役職は何ですか?」などがその一例です。
  • 複数選択:この質問形式では、ユーザーが回答する際に複数の選択肢を選ぶことができます。一般的には、「あてはまるものをすべてチェックする」タイプの質問で実施されます。例としては、「どの機能テストに興味がありますか?」や「組織のどの部門がこのソリューションを使用していますか?」などがあります。
  • 評価スケール:この質問は、リリースやセンチメント評価のための定量的情報を取得するのに役立ちます。形式には、NPS(0~10の評価)、リッカート尺度(「1~7の段階で、次の記述にどの程度賛成ですか?」)などがあります。5つ星評価(1〜5のスケール)、あるいは賛成/反対の二項評価も可能です。
  • オープンテキスト(自由記述):この質問形式は、定量的な評価尺度に効果的に付加され、個々の数値評価の背後にある理由を把握するのに有効です。ユーザーに、直前の定量評価をした理由の詳細説明を依頼します。

ユーザーフィードバックを収集するタイミング

アクティブ(能動的)フィードバックとパッシブ(受動的)フィードバックの両方を把握するツールとプロセスが導入されていると、常に一貫したフローでリクエストが得られるようになるでしょう。ユーザーに積極的にフィードバックを求めるには、プロダクト固有のユーザージャーニーを理解することが重要であり、そうすれば、無関係や無神経、あるいは(最悪の場合)スパム的な印象を持たれることはありません。従業員が使用するために購入したソフトウェアの場合も同様です。以下は、フィードバックを求めるのが適している場合の例です。

  • パイロット版/テスト版/ベータ版:プロダクトのことを誰よりも知っているのはあなたですが、だからこそ、プロダクトを知らないユーザーの意見を聞くことが重要です。もし、ユーザーがテストに参加することに同意しているのであれば、遠慮せずに意見を求めましょう。
  • オンボーディングの直後:顧客や新入社員に、開始から軌道に乗るまで、どの程度容易であったか、または困難であったかを質問しましょう。どこで行き詰まったか?分かりにくいところはあったか?追加でガイドが必要な箇所は?これらの調査結果は、最終的には将来のユーザーのセットアッププロセスの改善に役立ちます。
  • タスクまたはトランザクションの完了後:ユーザーがタスクまたはトランザクションを完了したばかりの時は、プロダクトを使った体験について質問する絶好の機会です。スムーズに進んだのであれば、そのポジティブな体験を共有したいと思うはずです。また、スムーズにいかなかった場合は、そのことを誰かに伝えたくてたまらないはずです。
  • サポートを受けた後:これは、ユーザーが補足的なリソースやサポートチームにどの程度満足しているかを知る絶好の機会です。サポート体制がどのように機能しているかを知ることができ、プロダクト内のギャップや改善の機会を示すテーマも発見できるかもしれません。
  • ユーザーによるアカウントのアップグレード時またはダウングレード時:ユーザーがプロダクトの無料版から有料版(またはその逆)に移行する場合、その要因を把握することが役立ちます。その動機は何でしょうか?どのような問題を解決しようとしているのでしょうか?この情報は、プロダクトロードマップに影響を与える新しいユースケースやビジネスニーズの特定に役立つ可能性があります。
  • ユーザーがフィーチャーを使用していない場合:ユーザーがプロダクトの特定のフィーチャーを採用していない場合、または購入したソフトウェアで従業員が特定のフィーチャーを採用していない場合、その理由を理解することが重要です。そのようなユーザーに対して、何が邪魔をしているのか、何が障害になっているのかを尋ね、そのフィードバックをもとに、反復と改善を行います。

そしてもちろん、ユーザーからもあなたに向けてアクションを起こしてもらいましょう。ユーザーがいつでもプロダクトリクエストを送信できる場所を用意することで、ユーザーの声を大切にしていることが伝わります。フィードバックリクエストのフォームやツールは見つけやすいようにし、プロダクトフィードバックポリシーを作成してください。これにより、ユーザーは「送信」ボタンを押すことで何を期待できるかが分かります。

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